陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

崖の上のポニョ

2008-07-24 06:54:24 | 映画(DVD)
観てきました。
昼間の席空き状況を調べたらほぼ満席。
きっと夏休みの子供たちであふれかえっている感じ。
ひとりはかふたりは可愛いけれど集団はちょっと苦手。
むかしむかし保育園につとめていたとは思えない自分。

息子が
また花火大会前のチラシ配りバイトに出て夜遅い帰宅になるから
夕方の上映観ることにした。

休日はうれしいなぁ~と散々動き回ったツケが来て
シートに座ったとたん
上の瞼と下の瞼がくっついてきた。
映画前の何本もの予告が全部子供向け。
ウルトラマンやらなんとか戦士やらパンダやら…
このまま本編中眠ってたらヤバイなぁ~と思ってもシートに身が沈む。

なんでポニョが生まれたか辺りは意識がない。
ソウスケとポニョが出会うあたりからパチっとスイッチが入った。
なんと無邪気な。
海の盛り上がりが透明で意志があって暑い夏向きの清涼感。

ソウスケが通う保育園と
母のリサが働くデイサービスがミケ抜け穴で隣り合っている。
お父さんはコウイチ。小さな船の船長さん。
家は崖の上に立つ。真下が海。
こう言うところに住みたいといっつも思ってるそんな感じの家。

どうも人魚姫が下敷きになっている話らしい。
アンデルセン人魚姫は
足と引き換えに声を失ったり、歩くたびにナイフで刺す激痛が走り
やがて王子が他の人と結婚してしまうので海の泡になってしまうと言う
悲劇だけど、この映画には微塵も暗さがない。

足があるっていいね。走れるっていいね。と
車いすになったデイサービスのおばぁさんたちが言う。
さかなのポニョも足を欲しがった。
この前、車いすの自走がすごく上手な高齢者を受け持っているけれど
昔みたいに足で自由に走り回りたいと言われた。
当たり前みたいに使っている足。大事な足。

そうすけは父母を名前で呼ぶ。
リサとコウイチ。
実は我が家も名前で3歳まで呼んでいたけれど
ババさま方からクレームがあってかぁさん、とうさんになった。
名で呼び合って結婚して子供ができてもお互いを名で呼んでいれば
その子供も名前で呼びはじめるのは自然な流れだと思う。
ポニョでは名前が大事に扱われている感じがした。

ソウスケがちゃんとおばぁちゃんを○○さんと
年配の方への礼儀があるのも感じが良かった。
働くお母さんがそう呼ぶから身についた事に思えた。
ちゃん付けが横行して改まらない我が事業所と大違い。
ウチもヘルパーさんの子が平気で母の仕事が終わるのを待っているけれど
ただゲーム機であそんだりと利用者さんと接している風は見えない。
お母さんの自然な利用者さんへの尊厳を大事にする仕事ぶりから
おさないソウスケにそんな気持ちがちゃんと芽生えているもの良い感じ。

ポニョはうまれぱなしの天然の無邪気さと
あったかな気持ちを持った元気いっぱいの子。
ソウスケは小さくてもきっちり責任感のある子。

人は偏見を持たずに生まれてくるに違いない。

   ポニョが好き。
   魚でも半魚人でも人間でも

ポニョがぷくぷくまんまるおなかの女の子なのも
昔なつかしいちょうちんブルマーっぽいパンツがスカートからはみ出しているのも
健康そものの感じがした。


映画が終わったら客席から小さい手のパチパチが聞こえてきた。
子供っていいなぁ~思わず笑顔になる。
映画館を出る時
やっぱりこのフレーズが頭をめぐってた。

  ♪~ぽーにょ  ぽーにょ  ぽにょ さかなの子~♪

ぽにょ  はひらがなの方が似合う感じ。

『誰でもよかった』殺人が続く今、
なんともほんわりした世界がここにあった。