陽だまりのねごと

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生命徴候(バイタルサイン)あり  久間 十義著

2008-07-21 05:49:12 | 
生命徴候あり
久間 十義
朝日新聞出版

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また不調を訴えて休日緊急診療へ連れて来た
心筋梗塞で心臓カテーテル術を手術した病院の待合室で
姑の検査と点滴待つ間に読んだ。

たまたまひとりで外出先でお茶する時の手慰みにバックに入れていたもの。
都合5時間は待ったから本があってよかった。

緊急と言う割には医師診てもらう前のバイタルがしっかりしていたし、
待たされていると言うことは
緊急手術の入院のと言う事態ではなかったらしいから
あまり心配もせず本に集中。

読み進めば心臓カテーテル術に長けた女医が主人公。
ジャストフィット?な小説だった。

この前に読んだ『聖ジェームス病院』がおもしろかったから
返しに行って、同じ著者の医療物で
今年の4月発行の図書館の本としてはピカピカのこれを借りた。

前作と同じく医師名誉欲がドロドロした物語を展開させてゆく。
IT青年実業家のヒルズ族も登場して
話はちょっと前の世相反映して前作より深みがあった。
ちょっと悲劇に過ぎる結末の
〆にバイタルサインの微かな希望の光を見せちゃんとタイトルと重なった。
小説って面白いなぁ~と言う読後感が満ちてきた。

医療が専門でない著者の下調べの労力にもひたすら感心した。


姑の緊急連絡先は天国の息子

2008-07-21 05:16:42 | Weblog
息子をバイトに連れていって帰宅。
掃除機嫌いが居ぬ間に掃除をしてしまおうと
この猛暑、気力を振り絞って、
掃除機のコードをコンセントに差したら電話が鳴った。
姑からだった。

昨日から寝ている、この前とおなじ胸が痛いと言う。
また心筋梗塞?
すぐに病院へ行くから着替えも良いからそのままで待つようにと伝えて
姑宅へすっとんで行った。

戸口から声かけたらまごまご戸閉まりを始めた。
暑い最中、あちらこちら開け放っていたのだろうが、
なんだ動けるのかと拍子ぬけ。
隣家の親戚の姿が見えたから、
病院へ連れてゆくとその間に声かけをしたら
姑がカギの束持って出てきた。

何を思ったのかカギの束はその甥に
『ちょうど良かった預かって』
と渡してしまった。

病院へ行って入院と言われたら、
私は取って返して入院グッズを揃えてUターンの可能性もある。
自宅のカギは前回の入院同様、
またしてもに血族へ頼んでは
開けてもらって一緒に自宅へ入って荷造りするのか?
いつまでも他人。
ひとりで家に入ってどろぼう呼ばわりされるより良いかと思ったけれど
正直、ムッとした。

心筋梗塞なら一時を争う。
とにかく私の車に乗せて、2月に手術を受けた病院へ急いだ。
歩けることだし緊急受付窓口で姑を降ろして、車の駐車へ回った。
車を置いて急いだら
ちょこんと緊急窓口横の椅子に座っていた。
受付を通ったかと問えば『まだ』

口があるだろうにこう言う時だけ頼る。
急いで健康保険証を預かって替わりに仔細を窓口で告げる。

血中濃度と血圧を測りにナースが即やってきた。
どっちも正常。
なんだ緊急な状態じゃないわ。
そう言えば家のカギだってかける冷静さがあった。

待つ事しばし。
緊急外来から名を呼ばれた。
一緒に診察室に入った。受け答えもしっかりしている。
心電図他検査と言うので私は待合室に出た。

待つ事1時間経過。
様子を聞きに行ったら点滴中で検査結果待ちとの事。
ひたすら待った。

結局
検査の結果、何でもないと判明。
点滴が終了して帰路についたのは16時半。
姑を送ったら今度は息子のバイト迎えに行く時間が迫る頃。

姑がカギを隣の甥へ預けたものだから、
家に着いてからクーラーの効いている車内で待つように言って
カギをもらいに私が出向いた。
一応、診察に仔細も話さなくてはいけない。
いったいこの手間はなんなんだ。

振り返れば
車中で待てと言ったのに姑は車から出て待っている。
手には万札を握って、私に渡すつもりらしい。
本日の労賃?そんなものいらないわ!
なんでも金、金、金で生きてきたのこの人の価値観がキライ。

カギを預けることも出来ない私を
嫁であると言うだけで
具合が悪くなるたんびに呼ぶ。
いつも金を押しつけて貸し借りなしのつもりらしい。

家に入って食べるものとか気にかけたいところだったけれど
医師からなんでもないと言われたことだし、
点滴が入って多少はしゃっきりしたことだろうから
金を渡す手を振り切って、車を発車した。


姑を待つ間に、
健康保険証やらお薬手帳やらを入れた小さなファイル見ていたら
裏見開きの緊急連絡先に我が家の住所と電話番号が書かれていた。
名前は私ではなくて、天に召された夫の名だった。

9月で亡くなって丸8年目が来る。
住所表記も夫の死後変わった。
新しい住所表記は書けても
そこに居る私の名は書けないらしい。

信用されないのならいっそ他人になりたい。