陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

摘出   霧村悠康著

2008-08-27 22:25:58 | 
酸素と誤りCO2吸入させる、危篤患者2人死亡…福岡(読売新聞) - goo ニュース

摘出―つくられた癌
霧村 悠康
新風舎

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現役の医師が書いた乳がん右左取り違い摘出を描いた小説を読んだばかり。
手術で看護師が疲れて居て単純なミスと言う。
人はミスを犯すものだけれど、医療だけは取り返しのつかない結果となる。
医療ミスはちゃんと全部
明るみに出るようになったのだろうか?
まだ、闇に葬られてるケースがありそうな気がする。

小説では間違って良い方のお乳を切ってしまった後で
なかった癌があったように偽装工作をする。
最後には医師間の権力争いによる内部告発でバレて執刀教授は失脚となっていた。

権力と金持つ医師の色と欲。
若い研修医の医学への熱意と患者への誠意。
ステレオタイプの筋立てはいただけないが、
現役医師が医療ミスをテーマにしているところには真実味が感じられた。

現実にもこうやってまたミスが起こってしまったし。

後任は不幸のチェーンメールのごとく

2008-08-27 05:50:50 | Weblog
私を後任に誘った人に一度会って、けじめがつけたかった。
彼女は在籍2週間で音をあげた。
後任を探さないと自分が辞められないとあせって
知り合いに声をかけたのは私だけではなかった。
その人は面接受けてオーナーの話しぶりがイヤできっぱり断った。

私は2番手に声をかけられたのだ。
オーナーに話したら『大丈夫か?』と何度も聞いたそうだ。

先にハローワークを通して面接を受け
利用者の数の少なさに2人もケアマネが必要な理由が明確でなく
月に2人の利用者増の営業依頼まであったので断っていた。

1時間以上かけて面接をして人となりは判断しただろうに
『大丈夫か?』はないだろう?

しかも紹介経路はデイサービス利用者である母を通して。
前任紹介とは一言もオーナーの口から聞いていない。

なんというキツネとタヌキ。
誰でも良いを紹介してとにかく辞めたかったというのが前任タヌキ。
自分の苦労が分かっていれば、次の人間も同じ苦労をすると感じると思うが、
ひたすら自分の保身以外に考えてはいなかったって事だろう。

話していてムカムカしてきた。
自分さえよければ良かったのだ。

そしてまんまと罠にかかった私が在任3ヶ月で辞める。

私の後任は私より2週間おくれて入社した。
利用者は10人余。ケアマネ1人でもゆとり充分。
彼女にはケアマネとしての何の仕事もない。
ほとんどデイサービスの手伝いやら
立ちあげたばっかりで実態のはっきりしない訪問介護サービス責任者やら
兼務でやらされていた。
まったくケアマネとしてはまったくの新人さん。

私が辞めると言った時に一緒に辞めるかと打診をした。
即答しないから結局後任になってしまった。
長く務められないけれど後任が見つかるまでやると言う。

当事業所が立ちあがって5年。
デイサービスと居宅介護支援事業所を併設。
居宅介護支援事業所は一緒に立ち上げたケアマネが3ヶ月で退任。
ごっそりデイサービスの人間も連れて出てゆき、
一時事業所自体の存続があやぶまれた。

一度つぶれた居宅介護支援事業所に2度目にやってきた人は
記録すら残っていない。
わずかな在籍期間であったのだろうか?
『辞めます』と言って次の日から姿を見せなかったそうだ。

ここは5年間で2度閉鎖の憂き目にあっていたのだ。

入社してすぐに
『ケアマネなしで今までやってきた』
と何度もオーナーに言われた。
介護保険もケアマネ業務もご存じないから教えようとすると
『5年もやってます。あなたよりは詳しい』

あげくの果てに

   『黙れ』
   『黙ってハイと言え』

7月分の国保連から返戻が届いていた。
介護支援専門員番号が登録されていないのだ。
私個人登録は済んでいるのだけど会社の人間としての登録がされていない。
前月もオーナーに県への登録漏れを伝えた。
まだ今月も改善されていない。
私は辞めるからもうなにも言わない。

この調子では後任も登録していないだろう。

最後の引き継ぎを昨日済ませた。
「何か分からないことは?」と聞くと
「分からないことがわからない。」と答える。

私も初めての時は何がなんだか分からなかった。
半年、1年経てば仕事に慣れてくる。
まったく介護保険に無知で
利用者本位と言って介護保険施設ではあるまじき事へも無頓着で
オーナーのおもうがままのサービスが
職員数も考えずにどんどん勝手に入ってくる。
他所ではありえない事はここでは問題にすらならない。
新人さんから介護保険上の正しい判断の目が失われるのが怖い。

登録すら出来ない、必要性、重要性が理解できない上に
人の言うことなど耳をかさないオーナーの元に
まっさらな新人を置いてゆく私も心配。

後任待っていては何年かかるか分からない。
一番長く務めた2年弱の人は辞めるといって
後任が見つかるまで6か月を要している。

後任になる人が気の毒だから潰した方が賢明だと私は思う。
やるのなら
オーナー自らが介護支援専門員資格を取って自分でやればいい。
事務所には1998年発行の介護保険事業の本が1冊あるのみ。
変化しつづける介護保険制度をちゃんと学ぶ姿勢もみえない。

引き継ぎする新人さんの顔がだんだん暗くなる。
私もこんな顔をして仕事をしていたのだろうか。

いつでも電話してきていいから分かることは教えてあげるからと
何度も念を押す。

もうひとつ
長く務める気がないのなら
 『後任のあるなしを待たずに早めに期限を切って辞めたら?』
何度も何度も言う。

私といっしょに辞める決心もつかない彼女が
後任がみつからない状態で辞められないだろうと想像はつく。


ここは5年で2度も閉鎖している。
閉鎖にはなれっこ。心病むことはないのだ。
居宅介護支援事業所はなくても事業として問題ないとオーナーが言ってたし。

利用者さんは他所の事業所変わってもらえば何の問題もない。
ひとりで抱え込まなくちゃと力まなくていいと
責任感が強くて生真面目な後任へ何度も繰り返す。

ここで働く介護支援専門員カードの手渡しは
不幸のチェーンメールみたいなものだから
誰かがおしまいにする勇気を持つほうが賢明だと思う。

やっぱり後任なしでやめる勇気が
彼女にはなかろうと踏みながら。