ちゅんちゅんは永眠しました

ベッドでおもらしをしていた。
猫こたつにぺットシーツを敷いて寝かせ替えた。
足がおぼつかないのに、よくベッドへ飛び乗っていたと思う。
こたつでは大きく腹を波打たせ荒い呼吸で伏せてる。
私は顔を突っ込んでずっとよしよしをしていた。
どんどんぐるぐるが聞こえなくなってゆき、
とうとう大きな苦しそうな呼吸を5回ばかり。
最後の最後みたいに手足いっぱいに伸ばして、大きな息をしてから次の呼吸が来ない。
信じられなくて、なんども瞳孔を確かめた。
抱きあげたら、ぐんにゃり柔らかでまだ生きていそう。
いつもショールに包んで、今も私の膝に抱っこで居る。

不思議と悲しくない。
ちゅんちゅんは大好きなお父さんとふぃんふぃんの所へ行ったんだから。
私を置いてね。
明日の朝、2年前に先に逝った兄妹みたいだったふぃんふぃんの隣の土に返してあげる。

亡夫の会社の倉庫で生まれた。野良かぁさんから生まれた。
来た日に声が出ないから獣医さんのお世話になったね。
さみしいさみしいと鳴くからエプロンに包んでカンガルーかぁさんで育てたよね。
あれから14年。もう少しで15年だったよ。

抱いているちゅんちゅんがすこし固くなった気がする。
やっぱり死んでしまったの？
動かないね。あっちの世界へ逝ってしまった。命が消えて物体になった。
やっと泣けてきた。


どの猫も私が居る時を選んだように逝く時期を選んでくれるような気がする。
生老病死、すべて自然のなせる技。
私も例外なくあちらに逝くからね。

薬を飲ます時におもいっきり牙があたった右人差し指が腫れている。
ちゅんちゅんの置き土産だね。
ちゅんちゅん、うちの猫で居てくれていっぱいいっぱいありがとうだね
ゆっくりお休み。もう苦しくないよ～



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力強く水を飲む！

そっと指で口をしめらせてやったら舌が動いた。
容器ごと口元に持っていってやると、止まり止まり飲んだ。
のっそり這い出してきたので、急いで新しい水を汲んでやった。
力強くペチャペチャ飲めた。
飲み終わってお座り。よだれが糸を引いたね。
拭かれるのはイヤイヤしたけど、足がよろけてまたそのままねんね。
陽だまりの座布団へ移してやった。

次、餌が食べられるといいね。
ちゅんちゅんは強い猫だから、生命力もきっと強い。強いよね！

水を飲んだら、いびきまで大きくなった気がする。
ただの猫バカのたわごと…でもいいわ!(^^)!



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点滴１５０㏄

獣医さんから脱水もしているから
朝になって点滴が吸収されているようなら、150ccと指示をもらっていた。
水飲みの前で大量のやや黄色い水状の嘔吐。
水が欲しかったか？

痛くないよう早く済むよう、一番高いカーテンレールにＳ字フックで輸液パックを吊る。
ガリガリ板に伏せているちゅんちゅんの首根っこをすばやく消毒。
斜め45度に針を差し込み後は横に滑らす。
点滴チューブ止め具片手で外す。
支えている針のあたり皮下に液が入って来るのが分かる。
ちゅんちゅんはジッとしたまま。
いつもより落ちる速度がはやくあっと言う間に150㏄入った。
手順にすっかり慣れた自分が哀しい。
針が抜かれたら、よたよた座布団へ移動した。
点滴されることにちゅんちゅんのあきらめを感じる。
何とも言えない気分。

意味はない。
藤田継治の「猫の本」と
寒川猫持の「なんでんかんでん死なんでけろ」とにゃん吉に訴えた歌があった歌集を引っ張り出す。
ちゅんちゅんの目の前に伏せてめくって、ただめくっている。

ちゅんちゅんはよしよししてやるとぐるぐる喉を鳴らす。
飲めないなら、せめて口を濡らしてやろう。



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