気の向くままに

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和歌山県太地町のイルカ追い込み漁

2015-05-21 08:45:37 | 日記

アリストテレスは古代ギリシャのイルカ漁の様子を…

2015年05月21日  毎日新聞

 哲学者のアリストテレスは古代ギリシャのイルカ漁の様子を、その「動物誌」に記している。漁民たちはイルカの群れが来ると多くの丸木舟でいっせいに取り囲む。そこから石を投げたりして音を立て、驚いた群れを陸へと追い上げるのだ。

▲あれ、どこかで聞いたような……と思われるのもそのはずで、和歌山県太地(たいじ)町で行われている伝統的な「追い込み漁」とよく似ている。こちらは船をたたいて音を出し、群れを入り江へと誘導する。アリストテレスは音によってイルカが正気を失うと考えたのである。

▲何千年もの時を超え、海に暮らしの糧(かて)を求める人々が命がけであみ出した漁法が似通うのは不思議ではない。自然と共に生きる人々のごくまっとうな営みとも思える。だがそれが何やら途方もない非人道的な所業であるかのように難じられる今日の国際社会となった。

▲日本動物園水族館協会は追い込み漁で捕獲したイルカの展示は倫理規定違反だと改善を求める世界動物園水族館協会の勧告を受け入れた。これで漁からのイルカの調達はできなくなる。だが拒否して退会すれば世界的な希少動物の入手が難しくなる中での決定だった。

▲ただここは被害者意識にとらわれても仕方ない。確かにイルカショーなどを売り物とする水族館には痛手だが、それを伝統文化と強弁するわけにもいくまい。こうなれば国際社会での価値観の断層を冷静に踏まえ、イルカの飼育の新たな世界基準に参画するしかない。

▲今やその多くが自然と共に生きる暮らしから随分と遠ざかってしまった人間である。水族館や動物園の存在意義を改めて考えさせるイルカをめぐる騒動だ。

 

 

「変態民族め」「虐殺者」和歌山県太地町に送りつけられる嫌がらせFAX…常軌逸したイルカ漁批判に町民「うんざり」

2015.5.21 産経(抜粋)  

 イルカ漁が行われている和歌山県太地町への悪質な嫌がらせが絶えない。2010年に同町を題材にした映画「ザ・コーヴ」が米アカデミー賞を取り、国内外の注目を浴びて以来、抗議の便りは世界中から寄せられるようになった。町役場や町漁業協同組合に届くFAXの量は増え、「変態民族め」「大虐殺は日本の文化」などと内容もますます過激に。英語表記のものだけでなく中国語、韓国語のメッセージも目立ち、戦時中の南京大虐殺と関連づけた残忍な写真の添付も散見される。

太地漁協へ送られてくる嫌がらせのFAX。

  太地町では毎年9月から翌年3月まで、食用のためのイルカを捕獲しているほか、イルカをそのまま生け捕りして、国内外の水族館へ提供している。

 

 

 【閲覧注意】残酷すぎるイルカ追い込み漁~和歌山県大地町(you tubeより)