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大望橋の不思議を解明しよう。千曲川に限らず、川は台風や集中豪雨の時、当然氾濫する。固定された橋は、大きな水圧がかかり、流木か絡みダム化する。当然水圧は高まり、橋そのものが破壊される。ナガレバシは柳のように水圧をかわし、橋そのものが流れてる構造になっている。大望橋はすべてではなく、橋の一部がナガレバシになっていた。実に日本人的な橋といってよい。岩波新書の「橋と日本人」上田篤著には、以下のような記述がある。P89 「この橋の起こりは、地元の架橋要望にもかかわらぞ、永久橋をかけるほどの需要も予算もないために、仮設橋としてとしてかけられた木橋に工夫がされたことにはじまる。設計はもちろん、管理も京都府がやっている。まだ、二、三こういう橋があったそうだが、いまはすべて永久橋にかけかえられ、この上津屋橋を残すのみとなった。日本ぜんたいでも、千曲川にいくつかかかっているぐらいのものである。たとえば、長野県坂城町にある大望橋などがそうだ。その下流にも一つあったが、他にはもう数少ないだろう。ナガレバシは、日本の橋の「柔構造」技術の真骨頂をみるものとして、今では貴重な存在といえるのではないか」と紹介されている。残念なことに4-5年前に永久橋に架け替えられてしまった。今日は朝から神社の当番で疲れた一日でした。神社のある山からの大望橋遠望です。右側に嘗てのナガレバシがありました。