バランサーを導入して時間が経過し、いろいろなパーツや製品の
バランス取り加工を行ってみた経験からバランスについて考えて見ました。
先ず、バランスについて考えます。
バランスとはについては導入した測定器の製造メーカー島津製作所さまに
詳しく有ります。
http://www.shimadzu.co.jp/sho/products/0601.html
回転するものにはどうしてもアンバランスと言うものが発生し、
それが無駄なエネルギーとして振動を呼び、製品の性能や耐久性などに大きな影響がでてしまう。
それと、回転する物の形状によっては振れが生じるため、
バランス取りの測定、加工が必要になります。と書いてあります。
理論を知り、測定器を導入して、いろいろと加工を使って来た立場から
バランス取りを改めて考えてみると、これまで測定してきたものの多くは、
製造メーカーによって「ある基準値」の中に入ったものを、
さらに精度を上げて行くと言う事を目指して作業していってる事に気が付きました。
バイクとして市販されたエンジンパーツをバランス取りする機会が多いので、
当たり前なのかもしれませんが、ある基準値があり、その範囲内に入れるように
加工した物がエンジン内部に組み込まれているように感じます。
その基準については、各メーカーでいろいろ考えが違うように感じますが、
でも、同じような基準の範囲内に入ってるので、不思議と感じていたところ、
ある時に工業製品のバランス取りを行う際に図面指示に「釣合い良さ等級」と言う
言葉がある事を知りました。
これも工業製品では当たり前の言葉ですが、回転するパーツにはある規格があり、
使用するパーツによって様々な精度では有りますが、それに添って加工精度を
仕上げてる事が分かりました。
「釣合い良さ等級」で検索するとG4000からG0.4まで有るようで、測定する物、
測定方法などが定められ、その基準に満たすようにある程度の約束がある様です。
この事から、測定器を使っていくうちに、バランス取り加工する際は、
当然アンバランスが全く無い0バランスを目指して作業を行っていますが、
先ずはエンジンの設計思想や車両のコンセプトなどを探っていく事で、
よりバランスを良くするだけではないエンジンの良さを引き出せる様に
なって来て、走行フィーリングにより良い反映が出来るようになりました。
次回はエンジンの個体差とバランス取りについて考えます。
考察記事は不定期記載の予定ですが、またよかったらどうぞ~