月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

卒業式に想うこと

2013-03-02 00:01:13 | 春夏秋冬の風


今日は、娘の卒業式であった。

開場に向かう途中、ずっと入学当初の感情や期待感を思い返しながら、
電車にゆられ、阪急バスに揺られて開場にむかった。
保護者会や、文化祭で何度も通ったいつもの景色。見慣れたバス停のおじさんや、学生たち。
もうこの道を、息を弾ませながら大急ぎで通うこともないのだ、と思うと
寂しい気がした。懐かしい面持ちで「かぶと山」を仰いだ。


毎日笑顔で、希望に満ちあふれて挑戦し続けた3年間。
レベルの高い公立高校であっても、
入学当初よりも成績は格段にあがったから、
結構努力したに違いない。

どんな状況に立たされても、環境のなかであっても、
そこで愉しさを見出し、決してくさらないところがあの子のスゴイとこだ。
人生とは、とても素晴らしいワクワクするものだと信じて疑わない純粋さ。
それが、あの子の長所でもあり、危なっかしさでもあるのだ。
そして、神様が自分をいつも見守り絶対に救ってくれると信じている。

小さい頃から童話だけは沢山読み聞かせしてきたから、
きっとその影響だろう。

これから、時に挫折や壁に当たることもある。それも大いに結構でしょう。
強く生きるためには決して避けては通れない道なのだ。
だだ、どうぞ、あの子らしい希望に満ちた明るい性格を失わないで生きていってほしい。

今までのように、沢山のいい友人に囲まれて笑顔で生きられたら…、そしてずっと健康でいてくれたら、それを節に願う。

ふと最近思うのだ。
あれほどの迫る演技をする大女優の三田佳子が、
息子さんの事件になると、我を忘れて、手も足もでない放心状態に陥られてしまった姿を。
お母さんなんて、子供のことになると、めちゃくちゃちっぽけなものである。無抵抗だ。
手足をもぎとられたように、何もできなくなるのだから。