月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

ことり会さんと祇園祭 宵々々々山へ行く

2013-07-16 14:29:46 | どこかへ行きたい(日本)


毎年7月がくると、ちょっとだけそわそわ。仕事が立てこんでくると、スケジュール帖とにらめっこ。
なぜって、祇園さんへ行けなくなると大変なのである。

昨年の粽と交換にいくゾと、強い意志で、この月の仕事に臨まねばならない。

そして、どうにか先週に仕事を終え、
今年も元気よく13日(土)宵々々々山へ行ってきた。

朝7時過ぎの電車に乗って、四条烏丸駅へ。今年は例年の祇園祭とはちょっとだけ趣が違うのだ。

「ことり会」の方々が主催する「祇園祭 ご朱印集めの会」に参加するという目的があった。



http://www.fieldcorp.jp/otome/



集団のイベントは、よほど好奇心に引かれないと参加しない方だが、
わたしはWEB上で「ことり会」という方々の活動を知ってからひそかに注目していて、
京都のかいらしいもの(カワイイ)を愛でる会、というコンセプトも京都好きのわたしには、
たまらんものばっかりなのだった。



ことり会とは、高校教師兼ライターの椿屋さん、ライターの小春さん、イラストレーターの辻ヒロミさんという
フリーランス3人娘が結成した 「もっと京都を知ろう」という集いだ。
3人娘は京都に住まい、京都に仕事場を持ちながら、さらに深く京都(奈良も)のよきものを求めて、
歴史を学び、美味を極め、かいらしいものを愛でる会を定期的に行い、
その記録を「ことり会だより」(小誌)にまとめられている。


http://kotorikai.com/top.html



フリーランスたちの何かを面白がるパワーというのは見る側だって面白いし、刺激を受ける。

(それに今朝の朝刊ニュースによると、
今年の朝日広告賞を射止めたのはフリーランスの4人組。大日本除虫菊のシリーズだった)。

「ことり会」メンバーのお一人とは、WEB(ブログ)を通して知り合い…、

ようするに、彼女らのエネルギーと仕事ぶりを称賛するわたしは、
ささやかなるファン、ということなのである。

ご近所ママと参加した私は、会場を訪れ、さっそく山鉾巡りを挙行する。
片手には、ご朱印帖。ペッタンコ、とご朱印をしながらの山鉾巡りもなんだか新鮮!






まずは、長刀鉾へ昨年の粽を返却し、それから函谷鉾、山伏山、鯉山、黒主山、
北観音山、南観音山、菊水鉾、月鉾、鶏鉾、綾傘鉾、舩鉾、月鉾…。
をぐるりとみてまわった。







鉾は今まさに建てようとしている最中。提灯に灯は入らず、「コンコンチキチ」の、
お囃子は聴けなかったけれど、その分、想像力が膨らんだかも。


祇園(宵山)の醍醐味って、
駒形提灯が揺れ、生演奏の祇園囃子の響くなか、鉾先のあまりの高さにほっ~と見惚れ、
山鉾町の旧家にて表間に飾られた秘蔵のお宝(工芸品や軸)を愛で、
京町家の雰囲気や暮らしを「屏風祭」で味わえること。

疫病除けを、運気上昇を願う、人々の「祈り」が夏の熱気のなかに
拡充していくのが素晴らしい!のだといつも思う。

13日(土)は、まさに祇園祭プロローグだ!

祇園祭を盛り立てようとする男衆の汗と働きぶりを目にすることで、
いつもとは違う角度から祇園祭がみつめられ、新たなパワーをもらった。
元気が出た。



鉾から見おろす四条通りの京の町は、祭りの文化のようなものが
鳥の目から見れるのがいいね。

すでに、お披露目されていた「山伏山」では、お宝が陳列され、恒例の「大茅の輪くぐり」が。
人々は、行列をつくって無病息災を祈願する。

私たちも、輪をくぐって神聖な心になり、東北復興支援のてるてるぼうず(御守り)を買う。





そして、鯉山だ。今年も準備は着々と進む。




早く夜にならないかなぁ。
鯉山の屏風を堪能し、浴衣を着た子どもたちが唄う「ローソク売りの唄」を聞くと、
いつもジーンとくる。

「鯉山のお守りはこれより出ます。
ご信心のおん方様は受けてお帰りなられましょう。
ローソク1丁献じられましょうか。ローソク1本どうですか」

「鯉山のお守りはこれより出ます。
ご信心のおん方様は受けてお帰りなられましょう。
ローソク1丁献じられましょうか。ローソク1本どうですか」

この数え唄を、何度でもリピートされるのだ。もちろん生唄。宵々々山、宵々山と唄が違うらしい。
ニッポンの美しい古里、かいらしさがギュッとつまっている。

そういえば「蟷螂山(とうろうやま)」も、
蟷螂のおみくじが売るのは浴衣を着た子どもたちだった。

この日はまだなかったが、大蟷螂の頭や鎌はすごいし、
御所車も見どころ十分。

黒主山の大友黒主が大きくかえって志賀の山桜を仰ぐ姿に
毎年ながら圧倒されたもの。







ああ、祇園祭!この熱さだ!歩くにつれて、祭気分が高まっていくなあ。

南観音山のペルシャ絨毯の前懸や、
鶏鉾、綾傘鉾も準備中の様を今年はのぞくことができた。

熊野の化粧筆も少し安く買えたし、
京都は商売うまいなあなどと思いながら、店々ものぞく。








2時間近く歩いたのだろうか。12時になったところで「うめぞのCAFE&GALLERY」でほっと一服。

小さな坪庭を眺めながら、みたらし団子を食べたいところをぐっと抑えて、
「わらび餅とお抹茶」を注文。
黒糖のわらび餅が、とてもおいしかった。お友達もほっこり。
黒糖感ときな粉のコラボレーションがすごく合っていたね。
本店の河原町の宇治金時やあんみつを思いながら、食べた。




それから、「ことり会」の方々ともに、昼食をいただいて談笑タイム。

皆さん、30代のフリーランスだ。それぞれの浴衣をお召しになっていらしてとても、よくお似合い。
よけいな色がつかない爽やかな「ことり会」の方々。
さりげない上品というか、控えめなとこに好感がもてた。
ありがとうございました。またぜひお会いしましょう♩


このあと、イベントで紹介されていた「なつのたより展2013」を観て、
大好きな「ぎおん小森」と八坂界隈を歩くつもりが、
なんと祇園祭恒例の、激しいスコールである。
せっかく烏丸から河原町まであるいたのに。ザンネン。日傘しかなかったので、この日は解散だ。

まだまだ浄妙山や岩戸山、郭巨山など、観たい山や鉾もあるし、
祇園宵山のリベンジをしたいけれど、
果たして再び京都へ乗り込むことができるのか!
今週の締め切りも2個あって、ちょっと難しい状況になってきたゾ。

2013宵山は今日限りである。