月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

台風21号のちょっとしたメモ (2018年9月4日)

2018-09-05 00:06:06 | 春夏秋冬の風


今日は博多の取材の予定が中止となり、明日に延期となった。

なので、こうやって自宅で原稿を仕上げる予定にして家でパソコンを前にしているのだけど、台風の脅威にちっとも進まず、窓の外に目がとられたままなのだった。
そこで、原稿のページの下に台風21号の状況をちょこちょこっと綴る。






(12時半)
家中のサッシを二重ロックしていても、海で聴く嵐のような風音。

ヒューヒュー!(時折に吹き荒れるフゥーーー!)ゴーゴー!という爆風の音がやむことなく続いている。

山々の緑を背景に、霧のように軽い雨が、早い風にのって横に走りすぎる。雨霧の縞が横へ横へと、細く流れている。

マンションに隣接している高い樹木(300メートルくらい)も根からもげそう。このまま勢い余って飛んでくるのではないかと思うほど。






(13時32分)
風がさらに厳しく吹く。

強い雨が、強風によってまきあげられる。
窓の外の瓦屋根の上を、雨が滑るようにして東から西へたたきつけられて、西へはねて去る。目前の山はみえない。

暴風の中を雨が滑る映像だけが目前を覆っている。

仕事に集中しようとするが、どうしても目が台風にとられてしまう。
明日は作業できないのだし、と思い直して、資料に目を落とすも、それでも台風が気になる。
リビングの掃き出しになった窓に近づいては、ソファーに座りなおして、また窓に近づく。



(13時50分)
風雨がさらに激しくなり、風を伴う雨で目前が見えない吹き荒れた状況。

風の音は、ザーー!ザーと海の波が打ち寄よせる岩壁の上にいるようだ。これまでに経験したことのない暴風の中に孤立する家々。
(おそらく、今、台風21号が真上です)

(14時10分)
最大瞬間風速は45メートル。
家のトタン屋根が風にとばされてめくら上がる映像がネットで配信されている。
トラックは風にあおられて何台も横転の映像がテレビ画面に映っている。



(14時30分)
台風の目に入ったのだろうと思う。空は曇ったままだ、小雨になってきた。空は少し明るくなり時々、風が強く吹く程度に。

(16時)
峠は過ぎた。激しい雨の日という感じ、時々風が横から強く吹き上げる。途中、しとしと降ったり、強く大量に降ったり。


(17時)
穏やかで、ひんやりとした秋の空気がもどってきた。視界は明るく、雲が南から北へ流れていくのが見える。
雨もあがった。


(20時)
今日は台風の件で何度か友人とメールのやりとりをする。
明日予定の出張は、あさってにさらに延期となった。明日も近郊の電車は終日見合わせとのこと。


(23時30分)
コオロギの声が心なしか小さいが、澄んでいる。
風はない。美しい秋の晩。外は静かだ。
電気も水道、ガスも止まらない幸せ。
今日は1人の夜。夕ご飯は、しらすとブロッコリー、ニンニク、鷹の爪でパスタですます。
1時半に就寝。



      (兵庫南部、山手の住居)





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