月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

ほろ酔いシャンパンの後の原稿でした

2021-04-06 23:57:00 | コロナ禍日記 2021





  

2月25日(木曜日)晴

 

起きて、少し本を読む。家人は、テレワークなので、ダージリンティーとフルーツ、シリアルで朝食。11時半まで原稿を書く。

 

午後。電車に揺られてインタビュー取材。終わって、流れで打ち合わせ。3人の担当者と入れ替わり、3時間話す。

 

疲れたので、大阪グランフロントに立ち寄り、ディーンアンドデルーカへ。トマトを買ってイタリアンの前菜にしようと、モッツアレラチーズを買う。ぶらぶらと、エノテカに足がむく。

 




コロナ自粛から解放されて、どの店も人が多い。最も人が少ない店を選んだのがこちらだった。シャンパンとおつまみのついた「ハッピーアワー」というメニューを楽しむことにした。

 

カウンターには男性一人。テーブル席には男女2人。わたしは窓際のハイチェアに陣取り、黒い階段から流れてくる滝の水を飽きずにぼんやりと眺め、灯り始めた始めた光の雫を感じ、車の走る街の音を聴く。それらを間近に、贅沢な一人の宴、シャンパン、カモのロースト、ミックスナッツで夕方の時間を過ごした。

 

日常の壁をとび越えて、裏の世界であそんでいる気分。仕事の後だから罪悪感なく楽しめる。例えばそれは男性の友人が何人いるか、異業種の友人がいるかと同じように、こういう時間をいくつ隠しもっているかで、人のおもしろさは表れてくるんじゃないかという気もする。世間にはずれたこともしないで、ここまできてしまったけれど。この年齢になって、もっと力を抜いてもよかったのじゃないかな、などとも感じる。

 

帰宅後。「お嬢さんのような人から電話があったよ。『取材先に電話をかけてもいいですか』と聞かれた」と家人がいう。

 

折り返し電話をかけてみると、やはり、提出したコピーの修正だった。それも今夜中にクライアントに送りたいとのこと。え、え、いまから、仕事?

ほろよい程度にシャンパンがはいっていたので、慌てて冷蔵庫に残っていたケーキをかじってコーヒーを飲み、すぐ机に前に座ってパソコンの電源をいれる。まずキャッチフレーズを再考。選んでもらいやすいように、違う切り口のものを4案ほどつくる。

 

「先に適当に食べておいて」と家人には言った。頭が夜の街からもどってこなくて難航。どうにか提出できた(よかったかどうかはわからない)。


台所では家人が、みそしるをつくりかけている。後をひきうけ、汁物、菜の花のお浸しとほっけを焼いて、お漬物を食卓に並べた。

 

本を読んでのんびりしたいところ、11時から別の仕事にとりかかる。風呂で推敲する予定がやはりわたしの集中もここまで、眠くなって12時過ぎには寝る。

 

 



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