雑感 独り善がり

日々の思いや怒りを自分勝手な考えで綴る

林真理子の『愉楽にて』終わった。あっけなかったな・・・物足りない

2018-09-02 12:11:38 | 日記
日経新聞に連載されていた林真理子氏の小説『愉楽にて』、毎日楽しみに読んでいたのだけれど、今日で
終わってしまった・・・。あっけなかったな。つまらなかったな。期待外れも良いところ。
1年未満。短か過ぎるし内容が何も無い。一体何が言いたかったのか意味不明。山も無い。起承転結も無い。
林真理子ってこんな作家だった?

デビューした頃の、若い時の、林真理子の小説やエッセイはとても好きだった。
文章の上手さだけでなく、鋭い切り口だとか、みずみずしい感性だとか(済みません、素人がえらそーに評価して)
いつも読んでいて夢中になり、あっという間に読み終える面白さだった。
『最終便に間に合えば』なんて、唸るほど巧かったと思うよ。『ルンルンを買っておうちに帰ろう』も面白かった。
全部が全部読んだ訳では無いが、興味の湧く内容のものは結構読んで来た。

私は、回りくどい表現の仕方の文章というか描写が長々としているものが、どうにも性に合わなくて
(何なんだよっ!さっさと言えよっ!となってしまう)好みの作家は結構明確で、『あ、アカンわ』となると
なかなか読む気にはなれない。
そういう意味では好きだったんだけれど。

林真理子さんは作家活動以外のことも結構出し惜しみせずに発信するから、着物が好きだとか、美味しいものが好き
だとか、文化人との付き合いが色々あるとか、私生活お金掛かっているよね、とか一般人は色々知る訳。
それが書くものに影響を与えているかどうかは分からないが、少しはそういう面も否めないのでは?と思う次第。

今回のこの『愉楽にて』なんか、超金持ちの御曹司の話だから、こういうものが書きたかったのかな?と思ったね。
京都・芸妓さん・妾宅・シンガポール・香港・ニューリッチではない昔っからの資産家のおうち・別荘・ITの若い
経営者、そして若くてきれいな女性たち・・・。
そういうツールがこれでもかっと言う位出て来る。
終わってみれば、そういうツールをフルに使いたかっただけ?という気がしてならない。
だって、あのファリンさんはどうなったの?あれは本当なの?とか、田口さん結婚すると京都の妾宅の芸妓さんは
どうなるの?とか、久坂の検査の結果は?そして久坂は何を考えどうなって行くの?とか、そういうのが全く
尻切れトンボで完結していない。読者が勝手に考えろよってこと?乱暴だな・・・。

売れっ子作家で忙しいのは分かる。今は”西郷どん”もあるしね。あ、西郷どんは原作で脚本じゃなかったか。
でも書き始めた以上は責任もって、小説に息を吹き込んでくれなくては・・・。
ただ単に、金と時間を持て余しているモテる中年男の女遊びと、かたや異性に真面目でマザコン男の、女に関しての
無理矢理な決着とを見せてくれただけ じゃない? という気がしている。
性の描写だってたいしたこと無かった。瀬戸内晴美とか渡辺淳一とかの方がもっとえげつなかった と思う。
何だか残念。
2人はこれからどうなるのかな・・・と余韻を残して終わるのが良いと?
ただ単に時間が無かっただけでは?と勘繰りたくもなる。
もうちょっと丁寧に作ってよねと愚痴。
がっかり。期待外れ。
あ、でもこれは私の個人的感想だから。面白かった・楽しめた と言う人もきっと居るはず。

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3 コメント

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何か都合できたのではないか (ローズ)
2018-10-27 12:29:49
本当に物足りない終わりかただった。林さん自身に、何か別のことが起きて、書けなくなったのであのような終わり方にしてしまった。5234早く続編を書いて欲しい。
返信する
やっぱり何かあったんですね。 (angry4444)
2018-10-28 02:27:38
ローズ様。
そうでなければあんな中途半端な終わり方は無いですものね。無理矢理引きちぎって終わらせた・・みたいな感じでした。
最近はエッセイなんかを読んでもあまり面白く感じません。セレブになってしまった林真理子さんの感性が、昔とかけ離れてしまった様に感じています。
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Unknown (サイモン)
2020-01-13 16:55:42
私もとても残念でいまだに未練たらしく想い出しています。おそらく機嫌を損ねるような何かがあったんではないかなーと思いますね。
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