問わず語りの...

流れに任せて

鬼神に横道なきものを

2024-08-07 04:02:35 | 歴史、民俗

 

 

 

昨日、遠野市立博物館に「遠野物語と異界」展を観に行ってきました。

 

 

楽しかったー🎶

 

 

異界はいいね。異界大好き❤

 

 

 

 

 

で、遠野市立博物館からの帰り道に、凡そ1年ぶりに、北上市立「鬼の館」を訪れました。

 

 

「酒呑童子」展をやっているということで、これは観なきゃと、ワクワクしながら寄ったのですが、予想していたほど大規模ではなかったのが

 

 

ちょっと残念。

 

 

 

唯一印象的だったのが、首を斬られた酒呑童子が放ったとされるセリフ。

 

 

【鬼神に横道なきものを】

 

 

これでしたね。

 

 

源頼光ら四天王が、山伏に化けて鬼たちを騙し、毒の酒を飲ませて鬼たちを弱らせて首を獲ったという卑怯なまねをされたことに怒って言ったセリフなんです。この意は

 

 

「鬼は嘘偽りなど言わず、真っすぐなことしかしない。それに比べて人間は……」ということですね。

 

 

このセリフはどうやら、江戸時代以降に作られたセリフらしい。つまりここでいう鬼とは一般庶民のことで、庶民が権力者の行いに怒っていることを、このようなセリフに込めたもの、らしいです。

 

 

鬼とは激しく動く人の心あるいは荒ぶる神のことも言い、「荒魂」とでも解釈したらよいだろうか。それには善的なものもあれば悪的なもの両方があるわけです。

 

 

『鬼平犯科帳』でいう”鬼”は悪に対して鬼のように容赦なく対処する庶民の味方、善なる鬼ですね。

 

 

江戸の庶民は酒呑童子の中に、時の権力者に滅ぼされるものたちの悲哀を見、そこに自らの状況を重ね合わせたということでしょうね、おそらく。

 

 

人の中に善悪両方あるように、神や妖怪もその時々によって、善にもなれば悪にもなる。

 

 

怨霊も祀れば守護神となるし、河童のような妖怪も祀り方次第で守ってくれる神ともなる。

 

 

しかしいい加減な祀り方をすれば祟りを起こしもする。

 

 

善悪二元論ではない、日本人と”異界”との関係性。

 

 

その世界観というか自然観というか宇宙観というか

 

 

豊か、だよなあと、改めて思わせていただいた1日でした。

 

 

楽しい1日でしたよ🎶😁

 

 

 

源頼光の兜に噛みつく酒呑童子の首。この時に放ったとされるセリフが

「鬼神に横道なきものを」

コメント (4)
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