当院の所在する加東市の東条地区はお年寄りの割合が多い地域です。
外来をしていても杖を使用している方が多いかなと思います。
普段は畑などされている方もいるので、一部は杖がアクセサリー的な感じで、ぶらぶら持ってきた! という状態の人もいますし、帰りには診察室の杖置きに忘れてしまうくらい 杖が不要な方も多いように思います。
けれど、中には杖がある方が安定して歩ける もう少し上手に杖を使えるといいな と思う人もいますので、今日は杖のお話です。
杖のおかげで外出が可能という人もいますので、それで世界が広がるといいなと思います。
いろいろある杖の種類ですが・・・

① T字型杖
もっともオーソドックスなタイプです。握り部分にも様々なタイプがあります。持ち運びに便利な折り畳み用などもあります。
②前腕固定型杖
ロフストランドクラッチ ともいいます。杖が握りの上まで伸びていて、カフという輪の部分に腕を通すことで支えるポイントが2点になります。下半身に障害があったり、片側に麻痺がある人に便利です。
③ひじ指示型杖
杖の上の横木にひじから先を載せられるので、手首やひじに障害がある人にとっては とても楽です。
④多点型杖(多脚型杖)
地面についている部分が1点だけに比べ、3点、4点のものはより安定しています。変形性股関節症や関節リウマチの高齢者、立つ姿勢や体重のかけ方が上手にできない人に向いています。
杖の使い方の注意:

杖の握りの位置、つまり長さも大切です。握りの高さが手首の骨の出ている位置くらいがベストです。
背中や腰の曲がった高齢者に対しては少し短めのほうが使いやすいです。
握りはしっかり握れる握りやすいものを選び、負担にならない程度の重さのものを選びます。
歩くときには 杖を足が悪い側と反対の手に持ち(左足が不自由ならば右手)、ゆっくりと少しずつ歩きます。
リハビリなどに通っている方は理学療法士さんなどは杖のことなど装具に関してアドバイスをくれると思います。
今使っている杖が使いにくいな これでいいのかな?と思うようなことがあれば、一度相談されることをおススメします。便利な道具ですので、ぜひ上手に活用してくださいね。