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微量アルブミン尿って聞いたことありますか?
たぶんほとんどの人が聞いたことないんではないかと思います。
タンパク尿って聞いたことあります?
尿検査でタンパク出てるね とか そういうお話です。
微量アルブミンというのは腎症(腎臓病)の初期にみられる尿の異常です。
腎臓のろ過機能に障害が出て、尿中にアルブミンというタンパクがわずかに漏れ出すようになった状態のことを言います。特に糖尿病やその疑いがある患者さんでは尿蛋白がでる前の早期の腎臓の悪化を示す指標になります。
微量アルブミン尿は腎障害の入り口であるだけでなく、その段階から心臓病によって死亡するリスクなどが高くなるということがわかってきています。PREVEND研究(Hillege HL,et al:Circulation106:1777-1782,2002)という研究がありますが、オランダのある都市の住民約4万人を対象に、尿中アルブミンと死亡との関連を調べた研究です。
微量アルブミン尿が出ている人は正常尿の人に比べて心臓病により死亡するリスクが高いことが明らかにされました。
通常、糖尿病の患者さんでは尿たんぱくをチェックしますね。
しかし、尿たんぱくが出ていないと診断された方でも、約半数の人に微量アルブミンが見られるといわれます。
2006年の報告で世界33か国の2型糖尿病患者さん約2万4千人を対象に尿中アルブミン量を測定したデータから、アジア人9111人のデータを解析したものがあります。タンパク尿が出ていないと診断された方でも、微量アルブミンが見られた患者さんは43.3%もいました。(Parving HH,et al:Kidney International69:2057‐2063,2006)
当院では半年から1年に1回ほどは2型糖尿病の患者さんで尿蛋白陰性の方に微量アルブミンのチェックをするようにしています。(保険診療の関係で期間をあけないと検査できません)
上記データと同じように半数の人でアルブミン尿が出ている印象です。
しかしながら、腎症2期(まだ少しのアルブミン尿)の状態では尿中アルブミン量が正常化して、心血管病や腎症の進行を防ぐことができます。実際に、腎症少し進んでますよ と言われれば、少し意識して食事を気を付ける方が多いため、多少アルブミン量が減ったり、変動が大きくあります。
2期から1期(正常アルブミン尿)に戻った人も血糖管理・血圧管理・減量などなど・・・心がけ次第でいます!
また、微量アルブミン尿がで始めると腎臓を少しでも守るように降圧薬を変更したり、糖尿病治療薬の内容を少し変更したりします。非可逆性の腎症に進む前に 定期的な尿アルブミン量のチェックをすることをお勧めします。
糖尿病の患者さんはかかりつけの先生に尋ねてみてくださいね。
参考になればうれしいです。