紫外線照射が気になる季節です。
以前にも記事にしましたが、今年もそろそろ光接触皮膚炎のお話をしておこうと思います。
光接触皮膚炎というのは皮膚の炎症を起こすのに 光(紫外線)が必要なタイプのかぶれをいいます。
光接触皮膚炎では、原因物質が肌に触れただけでは症状が起こりませんが、その部分に光や紫外線が当たるとかぶれや炎症が起こります。
紫外線照射量の多い5月から9月頃に多く発症します。
医薬品で有名なのが湿布薬 それもケトプロフェンという成分が入ったもので、商品名で当院採用薬ではモーラステープ・モーラスパップになります。
湿布を貼っている間だけでなく、剥がしてからも皮膚にその成分が残ります。そのため、皮膚炎を起こしたときには湿布をはがしてしばらくしていることもあるため、急にかぶれてしまったと感じることもあるようです。
湿布以外にも化粧品や手袋などのゴム製品など様々なものが原因になりえます。
ケトプロフェン製剤(湿布薬)に関しては、使用中・使用後の注意をすることで光接触皮膚炎を防ぐことができます。
①貼付部を覆う
貼付部を紫外線が通りにくい衣類(長ズボン・長袖)あるいはサポーターなどで紫外線を当てないように覆うこと
②紫外線に注意
屋外スポーツや屋外活動を避け、紫外線に当たる機会を少なくする
特にゴルフや海水浴は要注意です
③4週間は注意
湿布を使用した後、少なくとも4週間は引き続き紫外線を当てないように注意した方がよいようです
曇りの日も注意が必要です
④譲り渡しをしない
家族から譲り受けた湿布で副作用 といったことが多くあるようです。薬は自身で使ってください
⑤指示された場所に貼る
腰に使用する目的で処方されたものを 手首に貼ったり、首に貼ったり
思いがけず、光接触皮膚炎を発症することがあります。指示された部位をまもって使用してください
光接触皮膚炎はアレルギー反応なのですべての人に起こるわけではありません。
しかし、紫外線照射を避けるなどといった注意で予防が可能です。頭の片隅に入れて、湿布薬を使用の際には思い出していただけるとよいと思います。