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私の専門は糖尿病・内分泌代謝です。なかなか婦人科疾患を見ることは少ない環境ではありましたが、若い方の糖尿病を見る機会もあり、多嚢胞性卵巣という疾患が割と多いのだな と大病院に勤めていた時には感じたことがあります。もうだいぶ前から多嚢胞性卵巣に対してはメトホルミンがよい というのは大学時代の知識だったか・・・それよりも後の研修医時代の知識だったか・・・
もういつごろから知っている知識であるのかは忘れましたが、とにかく多嚢胞性卵巣のインスリン抵抗性や排卵障害には効果があると言われていました。そのため、自身で婦人科を受診し、多嚢胞性卵巣と言われた という方や肥満傾向がある若年女性の糖尿病にはメトホルミンはよいであろうと思い、できるだけ処方に組み込むようにしていたと思います。
そんな古い知識であったのではありますが、多嚢胞性卵巣の排卵障害に新たにメトホルミンが適応になりました。とお薬屋さんからの連絡を受けて、えええ!今まで適応じゃなかったの?周知の事実だったのではないの?!と驚きました。
糖尿病があれば、ちゃんと適応になるので間違った処方ではありませんし、肥満やインスリン抵抗性があれば、きちんとした適応をもって処方をしていることになりますが・・・
多嚢胞性卵巣の排卵障害に対して、今回初めて適応になったことに驚きました。
メトグルコはそれこそ1960年ごろから使用されているもので、かなり歴史あるお薬です。
上手に使えば大きな副作用もないように思いますし(シックデーの時の調節や投与できるかどうかの見極めが大事)安価でありながら、とても優秀なお薬です。
適応が広がることで、不妊に悩む多嚢胞性卵巣の方の治療が進むとよいなと思います。
もしかすると、2022年4月から不妊治療が保険適応になった部分もあり、適応が広がったのかもしれませんね。
驚きと同時に、当たり前のように感じていることでも日々医療は変わっていくのだなと感じたニュースでした。
週末、台風が直撃しそうですね。周りの田んぼは大慌てで稲刈りなど大変そうです。
台風の前後は怪我での来院も毎年数件ありますので、無理せず気を付けて備えてくださいね。
本日は午前診療です。よろしくお願いします。