兵庫県加東市の青山医院の日記です!

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飲む放射線治療

2022年07月15日 | 病気

放射線治療 という言葉を聞いて思い浮かべるのはどういったものでしょう。

エックス線やガンマ線、電子線といった放射線を患部に照射する治療方法がよく知られていますが、放射線治療はその外に「飲む放射線治療」があります。

この治療法は「アイソトープ治療」と呼ばれ、主にバセドウ病の治療に使われています。

 

アイソトープ療法は「放射線ヨウ素」をカプセルに詰めた薬剤を服用することで行われる治療法です。

 

昆布やわかめなどに含まれてるヨウ素を摂取すると、その多くは甲状腺に取り込まれます。同様に放射線ヨウ素も体内に摂取されると甲状腺に取り込まれます。

 

甲状腺に取り込まれたヨウ素はホルモンの原料となり、体内に分泌されますが、放射線ヨウ素は甲状腺の細胞を破壊します。

 

甲状腺が腫れて肥大化することで過剰な働きをする病気(バセドウ病)には甲状腺の細胞を減らす治療が有効です。

こうしたことからアイソトープ療法がバセドウ病の治療に使われることになりました。

 

放射線を体内に取り込むことには不安を覚える方もいらっしゃるかもしれません。

特に日本人は放射線への抵抗感が強いと言われます。

 

アイソトープ療法は始まってから、すでに80年近い歴史があります。アメリカでは、バセドウ病患者さんの治療の9割にアイソトープ療法が使われ、甲状腺の大きさに対して適切とされる放射線量も明らかになっています。

 

アイソトープ療法によって甲状腺機能低下症が合併することがあります。バセドウ病の治療は、あらかじめこの合併症を目指して進められるケースもあります。バセドウ病に比べて甲状腺機能低下症のほうが体内変調の程度が少ないためです。このため、アイソトープ療法による甲状腺機能低下症はバセドウ病の治療の成果とされています。

 

当院では内服薬(メルカゾール・チウラジール)によるバセドウ病治療を行っていますが、どうしてもコントロールがつかない場合や副作用などで内服継続が難しい場合は手術療法ないしはアイソトープ療法を選択していきます。

妊娠中の方は被爆の問題があり、選択することができないのですが、ほとんどの人が治療対象となれます。

放射線療法も一つの治療選択として、考えられます。

アイソトープ療法が可能な病院は限られますので、ご紹介とさせていただいています。

 

ご相談を受けることも可能ですので、病状落ち着かない方は来院してください。

参考になれば幸いです。





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