再読のための覚え書き
﨟たき花
中河與一(1897-1994)
古家新挿画
マキは、源氏物語をこよなく愛する古典的情想と、理知的な強さを併せ持つ﨟たき(可憐でいじらしい)女性。
マキに男友達が増えるごとに、恋人の嶺男はマキに不信感を募らせてゆく。
昭和初期の銀座を舞台に描かれる、若者たちの出会いと別れ。
「歩きながら彼等は今自分達がしている簡単な生活がうれしかった。生活を簡単にすると、自由になったように思われて、あらゆる能率を第一としている文化生活が、どうしてあんなにも不便極まるものかと疑われるほどであった。ついすると自由とは自由ではなくて、新鮮な感情の別の名前かも知れないとマキは考えた」
2021.11.5読了
﨟たき花
角川文庫
昭和28年7月20日初版発行
昭和34年2月20日14刷
旧仮名遣い
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