再読のための覚え書き
美しい星
三島由紀夫(1925-1970)
埼玉県飯能市に住む大杉一家は、ある時から、父の重一郎を筆頭に、自分たちが別々の星から来た宇宙人だという意識に目覚める。
重一郎は「宇宙友朋会」を結成。講演活動を通して《人類の救済》を説き始める。
しかし、やはり宇宙人を自称する羽黒一派が現れる。彼らは《人類の安楽死》を求め、重一郎たちに論戦を仕掛けるのだった……。
「人間どもは、電車の中、町中で、何ら関心を持ち合わない無数の他人とも、時々刻々、偶然に会っているのだ。おそらく一生に一度しか会わない人たちと、奇蹟的にも、日々、偶然に会っているのだ。ここまでひろげられた偶然は、もう大きな見えない必然と云うほかはあるまい。」
SF仕立てにして、宇宙人という立場で人類を俯瞰してそれぞれの人類論を語るという討論小説。
2023.2.4読了
美しい星
新潮文庫
昭和42年10月30日初版発行
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