再読のための覚え書き
都会の憂鬱
佐藤春夫(1892-1964)
前作「田園の憂鬱」が、神経の衰弱を帯びた抒情的な散文の色が強かったが、本作では話の展開を伴って小説らしくなる。
田舎での生活を引き上げ、都会に舞い戻ってはきたものの、日の当たらない平家での暮らしは、男の心境や境遇そのものだった。
「才能ある人に対してはその才能のためにその生涯を奪敬すべきであるし、さうして才能のない人に向つては、才能なしに生涯を送つて来たといふ理由で同じやうに奪敬すべきではないだらうか。」
2021.10.2読了
都会の憂鬱
岩波文庫
1955年3月5日初版発行
1987年4月8日2刷
旧仮名遣い
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