あすか塾

「あすか俳句会」の楽しい俳句鑑賞・批評の合評・学習会
講師 武良竜彦

「あすかの会」七月の秀句から

2023-07-30 14:48:33 | あすかの会 2023・令和5

「あすかの会」七月の秀句から 季題「晩夏」・兼題「再」    

 

◎ 野木桃花主宰句

骨董市木の下闇を借り申す

再会のふれてはならぬ祭笛

梅雨明や再出発を誓ひ合ふ

 

☆ 野木桃花主宰特選句

先斗町二階にだらり軒簾       悦 子

 

☆ 武良竜彦特選句

遠き帆の微かに光る晩夏かな     玲 子

 

◎ その他の秀句から 【支持・評価の高かった順】

 

木には木の玻璃には玻璃の晩夏光   市 子

老犬のゆったりと行く浜晩夏     尚

植木屋の晩夏を刻む鋏音       尚

噴水や道理を曲ぐることもして    みどり

この胸に晩夏の海を仕舞ふ帰路    玲 子

吊橋の揺れて万緑歪みたる      さき子

雲はまだ鱗になれず晩夏光      さき子

 

風死すや着信音の軽きこと      ひとみ

江ノ電の車窓晩夏の海の黙      ひとみ

もどり来る貨車は空っぽ晩夏光    悦 子

 

から花火嘘も方便晩夏かな      かづひろ

機関車の鉄塊と化し草いきれ     かづひろ

こぼれくる扇の風に香のすこし    英 子

再会は未だ果たせず土用波      英 子

震災を知りたる蟬のまた一声     典 子

色褪せし藍の作務衣の晩夏かな    典 子

籐椅子に順三郎を再読す       みどり

巻貝は銀の小箱に夏の果       みどり

金魚鉢マティスのやうに窓に置く   ひとみ

初嵐再び農の眼差しに        市 子

 

〇 ゲスト句参考

祇園会や宙突く鉾を灼く日差し    竜 彦

再びの逢瀬は約せず月見草      竜 彦

 

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