あすか塾

「あすか俳句会」の楽しい俳句鑑賞・批評の合評・学習会
講師 武良竜彦

五月あすかの会秀句 兼題「開」「新緑」   2024年5月24日

2024-05-27 09:57:55 | あすかの会 2024 令和6

五月あすかの会秀句 兼題「開」「新緑」   

                                                    2024年5月24二四日   

 

 野木桃花主宰の句

薔薇よ薔薇みなとみらいの見える丘

祝宴のシャンパングラス緑さす

足しげく通ふ公園緑濃し

待ちわびし友垣薔薇の十重二十重

 

 野木主宰特選

屋形船小唄流れく川開き        悦 子

 

 武良竜彦特選

開墾地いま馬鈴薯の花盛り        尚

 

 秀句 選の多かった順

こはごはと火を踏む足裏山開      ひとみ

からからと世代交代夏落葉       さき子

開きたるままの憂鬱澄水中花      さき子

オカリナの調べ涼しく句座の宴     典 子

 

石仏の百面相や青葉闇         玲 子

新緑の森の教会鐘わたる        ひとみ

 

緑さす図書館の窓日曜日         尚

若葉風黙する胸を押し開けて      市 子

新緑や戴冠帽式了ふ娘らの顔      悦 子

大夕立遮断機頭に迫りきて       悦 子 

風薫る横浜港に開く窓         みどり

初夏の窓開け放ち木木の声       玲 子

水琴窟の地底の鼓動風薫る       玲 子

陽光へついと跳び出すあめんぼう    玲 子

来し方は短くもあり虹仰ぐ       ひとみ

蹲(つくばい)や春の光を手に掬ひ     英 子

母の日やフルーツ菓子に洋酒の香    英 子

 

新樹光坂の途中のドッグカフェ     みどり

とりどりの花あしらはれ初夏の膳    みどり

洋館の出窓全開ソーダ水        典 子

新緑へとんがり屋根のケアホーム    典 子

新緑をひとつ飛びにジップライン     尚

退庁はいつもこのバス緑さす      英 子

よなぼこり建仁寺垣の押縁(おしぶち)に      英 子

ヘルメット走るよ走る春の野辺     都 子

兄泣けば弟べそかく水遊び       都 子

緑さす小さき飯碗陶器市        礼 子

 

新緑や地獄絵に風吹き抜ける      かづひろ

新緑の波にサーファーいどみけり    かづひろ

海霧深き屋島の開く間牛を飼ふ     かづひろ

「アカシアの雨」よ樺美智子の忌    かづひろ

新緑の滴るところ蕎麦旨し       さき子

夏蝶や鍵盤を舞う右手左手(めてゆんで) さき子

手囲の一匹螢放ちけり         典 子

開店や妍(けん)競ひあふ胡蝶蘭      尚

新緑を浴びて下りくるワシン坂     みどり

瀧音の開く木々の間皐月空       市 子

新緑に吹かれて競ふ彩も香も      市 子

記念樹を仰ぎ幹撫づ若葉風       市 子

若葉雨嵯峨野の奥の人疎ら       悦 子

新緑やけやき並木の奥の闇       ひとみ

水中花己を映す水鏡          英 子

牡丹の微風逃さず開きけり       英 子

うぐいすの啼くは幸せ呼ぶごとく    英 子

母の忌やひと日を鎮む雪割草      英 子

香を聞く老師の活ける半夏生      礼 子

新茶汲む静寂(しじま)深まる中に居て  礼 子

青葉山マラソンコースの赤い紐     礼 子

未草開き始めの白さかな        都 子

新緑や山を覆ひて甦る         都 子

 

 参考ゲスト 武良竜彦

星空を編み込み皐月の句誌「あすか」

ひらがなに漢字開けば風かおる

新緑やじいんじいんと鳴る木立

手を振れば五月の空が鰭を振る

 

平成六年あすか俳句大会第一位

旋回は別れの言葉鳥帰る        さき子

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする