「 海色の壜 」 田丸 雅智

　　　　　　「　海色の壜　」　　田丸　雅智

　　　　　　

田丸さんの単行本２冊目。　図書館や本屋さんになく、楽天でやっと手に入れました。
奇想天外な発想の田丸ワールド全開の２０編。　大切に読みました。
どの作品も風刺がきいていて、『　うふっ　』と笑ったり、少々怖かったり。　『　なるほどそういうことか　よくこんなことが考え付くな　』と感心します。

「　蜜　」は、上沼恵美子さんがいつもテレビ番組でおっしゃっている「　人の不幸は蜜の味！　一番楽しいのは人の悪口！　」　それが、こんな利用方法があったなんて。　恐ろしい！
１作は短いショートショートですが、どれも読みごたえがあります。　星新一さんの本とともに手放せない作家さんになりました。　
もっともっと、みんなが田丸ワールドを楽しんでほしいです。

先日、月に１回の病院に行きました。　待ち時間が１時間以上あるので、いつもの様に病院内の喫茶店で本を読むことにしました。
飲み物すべてが１３０円で、年配の店員さん達とも顔馴染みでお土産を買って行ったりします。　ほっとする場所です。
本を読んでいると、「　本、好きですか？　」と声がしました。　隣の席の年配の女性が話しかけてきました。よく、知らない人から話しかけられます。
『　はい　』　すると女性は、「　私も好きでよく読んでいます。あなた、おいくつ？　私は７９歳です。独りで施設に入っています。」
『　今、何を読まれてますか？　』と私。「　コンビニ人間です　」　　
思ってもみなかった本で、若々しいですね。　私は今、図書館に申し込み中です。

本は、年をとっても、眼さえよければいつまでも読めますものんね。　古い本も新しい本も、いろいろの分野も楽しめます。
彼女もいつまでも元気で、たくさん本を読めますように！と思いながら時間が来たので別れました。　田丸さんも紹介すればよかった。
本を読む楽しさを知っている人との楽しい出会いでした。　　　　
　　


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