ISSからロシアが脱退、独自の宇宙開発へ ソユーズ頼みだったのに...
ロシアは4月下旬、1998年に同国が打ち上げて以降、各国と共同で運営してきた国際宇宙ステーション(ISS)から2025年に脱退すると発表した。
[動画]ロシアのソユーズvs.米スペースX社のクルードラゴン 独自の宇宙開発を進め、2030年までに新たな宇宙ステーションを打ち上げる方針だという。
アメリカは民間企業による宇宙開発を進めるが、スペースシャトルの引退以来、長らくロシアのソユーズロケット(写真)頼みだったISSへの輸送手段はどうなるのか。【ニューズウィーク日本版編集部】
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1992年、米国は、国際宇宙ステーション(ISS)の建設に参加の意思を明らかにした中国を国家安全保障問題を理由に拒否した。
米国とロシアの主導で16カ国が参加したISSに、中国が抜けた理由だ。 【写真】もっと大きな写真を見る 以降、中国は「一人でも作る」と宇宙ステーション(CSS・Chinese Space Station)の建設を開始した。その時、中国の国内総生産(GDP)は米国の10分の1に満たず、宇宙開発技術はよちよち歩きの段階だった。
しかし、2021年4月29日、中国は宇宙ステーションの中核モジュールを宇宙へ打ち上げることに成功し、独自の宇宙ステーション建設に近づいた。 米国と中国の覇権争いは宇宙でも激化している。ロシアも一人苦労してきた中国側に立った。
ロシアと中国は今月初め、共同で宇宙ステーションを建設する「月軌道と表面に造成される実験研究施設開発」の覚書を締結した。米国主導の月の復帰計画と競争構図をなしたものである。
これに先立ち、米国は2024年までに月に宇宙飛行士を送って2028年から常駐体制に入るアルテミス(Artemis)プログラムを推進しながら、宇宙探査協力規範を盛り込んだアルテミス協定を締結してきた。オーストラリア、カナダ、日本、イギリス、イタリア、ルクセンブルク、アラブ首長国連邦(UAE)など7カ国がすでに参加し、数はさらに増える見通しだ。
中国とロシアはこれに対抗し、新しい宇宙プロジェクトを構想している。具体的な内容まで公開されなかったが、「関心を持っているすべての国と国際的なパートナーに開放されている」と強調した。
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アメリカ国家偵察局の機密衛星、打ち上げ成功 世界最大級のデルタ4ヘビーロケットを使用
米宇宙企業ULA(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)は、日本時間4月27日5時46分、「デルタ4 ヘビー」ロケットをカルフォルニア州にあるヴァンデンバーグ空軍基地第6発射台から打ち上げました。
NRO(National Reconnaissance Office:アメリカ国家偵察局)の偵察衛星を搭載しています。なお、衛星の情報は「機密」のため公開されていません。
打ち上げから2時間後、ULA、アメリカ宇宙軍、NROは衛星が所定の軌道に投入され、ミッションに成功したことを発表しました。
このミッションは「NROL-82」と呼ばれています。ULAがアメリカ宇宙軍と契約しているデルタ4ヘビーロケットの打ち上げの1つです。2024年までに全ての打ち上げが完了し、デルタ4ヘビーロケットは引退。ULAが開発を進める新型ロケット「ヴァルカン」ロケットに引き継がれることになっています。
今回の打ち上げはULAにとって143回目、デルタ系統のロケットでは1960年の初打ち上げから数えて386回目となりました。世界でもトップクラスの大きさと打ち上げ能力を誇るデルタ4ヘビーロケットは13回目の打ち上げでした。
出口隼詩
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