[2023年9月1日8時36分]
ヘンリー王子(2023年8月撮影)
英国のヘンリー王子(38)が手がけたドキュメンタリー「ハート・オブ・インビクタスー負傷戦士と不屈の魂ー」が8月30日、ネットフリックスで配信が始まった。
王子は王室時代に立ち上げた負傷軍人らのための国際スポーツ大会「インビクタス・ゲーム」をテーマにした5部構成のドキュメンタリー中で、英陸軍時代のアフガニスタン派遣後のトラウマについて明かし、「母が亡くなった後、誰も私を助けてくれなかった」と述べ、改めて王室や家族を批判した。
10年間英陸軍に所属したヘンリー王子は、2007年から08年と12年から13年に2度アフガニスタンに派遣されている。
インビクタス・ゲームを立ち上げた経緯などについて語った王子は、「12歳の時に母親を亡くし、自身が抱えていたトラウマに幼い自分はまったく気づいていなかったし、議論されることもなかった」とコメント。
ダイアナ元妃を亡くしたことで、感情がなくなり、泣くことも感じることもできなかったと話した王子は、アフガニスタンへの従軍経験がきっかけでそのトラウマに気づいたと述べ、王室では必要な支援を受けることができず、見極める専門家もおらず、何が起っているのか理解するためのサポート体制がなかったと批判した。
番組の視聴者からは、さっそく「このドキュメンタリーは王子の泣き言を聞くためのものではなく、退役軍人についてのものだと思っていた」「退役軍人の物語を強調するのではなく、王子の個人的な葛藤が物語を支配しているように感じる」と、批判の声が上がっている。
ダイアナ元妃は、1997年8月31日に仏パリで自動車事故によって亡くなった。
(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)
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8/31(木) 20:21配信
Getty Images
ヘンリー王子とメーガン妃が手がけたドキュメンタリー「ハート・オブ・インビクタス -負傷戦士と不屈の魂-」の配信がNetflixで始まった。
タイトルからもわかるようにこの作品はヘンリー王子が立ち上げた負傷した兵士のためのスポーツイベント、インビクタスがテーマ。選手たちがスポーツを通して心と体を癒していく姿を追っている。
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作品にはヘンリー王子も本人登場している。インビクタスを立ち上げた理由やそれまでの道のりについて語ったが、自分のメンタルヘルス問題にも言及。その中で改めてロイヤルファミリーを批判した。
王子はアフガニスタンでの戦闘を経験しているが、ダイアナ元妃の死から自分が立ち直っていないことに従軍経験がきっかけで気がついたと話している。
「12歳のときに母親を亡くしたトラウマのせいで、それからずっと感情がなく泣くことも感じることもできなかった。でもその最中はそれがわかっていなかった」
「28歳のときある出来事があって初めて、最初の泡が出てきた。そして突然、誰かが揺らしたように泡が消えた。そこからはカオスだった」。
感情が爆発してしまい、それを止められなかったという。「行く先々で感情が壁一面に飛び散った。一体これをどう封じ込めたらいいのだろうと思った」。
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28歳のときの出来事とはアフガニスタンからの帰国。王子は当時を振り返り、こう語っている。
「最大の苦しみは周囲に本当の意味で助けてくれる人がいなかったこと。支えてくれる体制もネットワークも、実際に私に何が起きているのかを見極めるための専門家のアドバイスもなかった」。ロイヤルファミリーも王室も助けてくれなかったと話した。
ちなみに王子は2017年にもあるポッドキャストで当時を回想している。王子はそのときもアフガニスタンから帰ってきたとき初めて、それまでの苦しみや苛立ちを口にできたと話していた。
気になるのは「私個人のことを言えば、兄が大きな支えになってくれた」という発言。
ポッドキャストではこう話していた。「兄は私に『この状態はよくない。何の影響も受けていないと考えるのは普通じゃない。君は誰かとこのことを話さなくてはいけない』と言い続けてくれたんだ」。今回のドキュメンタリーとの矛盾点が早速指摘されている。
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最終更新:8/31(木) 20:21ELLE DIGITAL
ヘンリー王子は回顧録で、昨年初めてメーガン妃を連れてお墓参りに行ったことを明かしていた。
By Yoko Nagasaka2023/08/31
ダイアナ元妃(Diana, Princess of Wales)Tim GrahamGetty Images
8月31日はダイアナ元妃の命日。元妃の弟で第9代スペンサー伯爵のチャールズ・スペンサーがSNSで追悼している。
伯爵は幼い頃の自分と元妃の2ショットを披露、コメントはせず静かに偲んだ。
写真は過去に公開されているもの。伯爵は2020年、不正な方法で元妃にインタビューを承諾させたとしてBBCを告発した数日後にもこれを投稿していた。
courtesy of Charles Spencer via Instagram
ウィリアム皇太子は毎年静かに追悼する主義。例年通り、今年もSNSには何も投稿せずに1日を終えると見られている。
ヘンリー王子も何も発表していない。ちなみに王子は今年初めに出版した回顧録の中で2022年の命日に初めてメーガン妃を元妃の墓に連れて行ったことを明かしていた。
元妃の墓はノーサンプトンシャー州にあるスペンサー家代々の邸宅アルソープに作られていて一般公開はされていない。
王子と妃は昨年のこの時期、チャリティイベントに出席するためイギリスとドイツを訪れていた。
メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)、ヘンリー王子(Prince Henry)Chris JacksonGetty Images
アルソープの敷地内に作られたプレジャーガーデンにある大きな池、ラウンドオーバルの中央にある島に元妃は眠っている。メーガン妃をボートに乗せてそこまで行ったヘンリー王子。そのときの気持ちをこう振り返っている。
「この場所を訪れるのは決して簡単なことではなかったが、今回は没後25周年だ」「それにメグにとっては初めてだ。ついに僕は夢の女の子を家に連れてきてママに会わせたんだ」。
島についた王子は「ためらい、メグと抱き合い、そして僕が先に行った。墓に花を添えた。メグが少し母と2人きりになる時間をくれたので頭の中で母に話しかけ、会いたかったと伝えた」「メグも少し時間を欲しがっていると感じた。だから僕は生垣を一周し、池を見渡していた。戻るとメグはひざまずいて目を閉じ、墓石に掌を当てていた」。
ダイアナ元妃(Diana, Princess Of Wales)Tim GrahamGetty Images
ダイアナ元妃の存命中に比べ王子の生活も英国王室も大きく変わったが、元妃のスピリットは多くの人の心に生き続けているはず。改めて妃の美しい生き方を思い出してみたい。
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