インビクタス・ゲームで拍手するヘンリー王子
2023年9月19日 19:44
ドイツ・デュッセルドルフで16日に終了した「インビクタス・ゲーム」閉会式のスピーチで、王室から軍服の着用を禁じられているヘンリー王子が王室批判を展開していた。英紙ミラーが18日に伝えた。
ヘンリー王子は約10分間、群衆を前にスピーチを行ったが、感情が高まったのか、一時は声を詰まらせた。
さらにはその中で、全員が元軍人である競技者たちに対し、軍人であった誇りを感じるために「制服(軍服)に頼る」必要はない、そして「制服なしでは損をする」と考えるべきではないとき然とした口調で語った。
明らかに王室を意識したこの言葉は、2020年にヘンリー王子とメーガン妃が王室を離脱した際、軍服の着用を禁止され、軍関係の仕事を断念せざるを得なくなった背景がある。それだけに自身に向けた言葉のようにも聞こえた。
記念写真に応じるヘンリー王子とメーガン妃(ロイター)
ヘンリー王子は5月のチャールズ国王の戴冠式ではモーニングスーツを着用。昨年9月のエリザベス女王の国葬でも、軍服の着用を求める声があったにもかかわらず、王子は最愛の祖母のためにスーツを着ていた。
しかしウェストミンスターホールでエリザベス女王の棺の周囲で通夜を営む際のみ、約2年半ぶりに軍服の着用を許されている。
だがエリザベス女王を象徴する最も大事な「ER」のイニシャルバッジは着用を許されず、その後、王子は「打ちのめされた」と語っていたという。
当時、王子の友人は「彼は悲嘆に暮れていた。愛する祖母のイニシャルを外さなければなかったのは、明らかに(王室による)意図的なものだと思われる」と証言している。
閉会式のスピーチでも「これまでのことを踏まえて、ユニフォームに頼る必要はないし、ユニフォームなしで迷うことはないということを思い出してもらいたいと思います」と負傷軍人たちを激励している。
成功に終わった「インヴィクタス・ゲーム」だが、軍服についての王室の方針に対するヘンリー王子の〝怨念〟だけは消えなかったようだ。
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メーガン妃(ロイター)
2023年9月19日 16:06
メーガン妃の父親トーマス・マークル氏が、娘と夫のヘンリー王子が2人の孫たちと自分を遠ざけていることは、実に残酷だと、18日に英「グッドモーニング・ブリテン」で明かした。
79歳のトーマス氏は、インタビューで自身の現在の苦境を明らかにし、娘のメーガン妃と夫のヘンリー王子により、2人の孫、アーチー王子とリリベット王女との面会を拒否されていることに、悲痛な思いを感じていると司会者に語った。
トーマス氏は「私はとても腹が立っている。孫に会う権利を否定するのは祖父にとって残酷なことだと思う」と語った
さらには「それに、私は何も悪いことはしていない。私が悪者だということは何もない。私はとても愛情深い父親で、彼女もそれを知っている。私をそのように扱うのは言い訳の余地がない」と声を振り絞った。
メーガン妃との亀裂は、2018年のロイヤルウェディングの準備期間中に、トーマス氏がパパラッチと撮影の裏取引を行った際に生じた。
その後、昨年5月には在住するメキシコで脳卒中に倒れてカリフォルニアの病院に緊急搬送され、現在も闘病中だが、メーガン妃とは会っていない。
トーマス氏は、カリフォルニア州には祖父母と孫との面会を両親に強制する裁判所命令を得ることができる法律があることを指摘したが、少なくとも今のところはその裁判沙汰に及ぶつもりはないという。
トーマス氏は、自分もチャールズ国王も同じ困難な状況にあり、どちらも孫に会えないが、チャールズ国王に扉が閉ざされているかどうか分からないと語った。
さらにはヘンリー王子はメーガン妃のやっていることに従っているだけだと信じているとも明かした。
ヘンリー王子とメーガン妃にとって家族との氷解は困難なことのようだ。
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メーガン妃(ロイター)
2023年9月13日 19:45
メーガン妃は「インヴィクタス・ゲーム」(ドイツ・デュッセルドルフ)に12日から合流した。
パーティーでのスピーチで遅れた理由が育児だったと説明したことに対して、王室専門作家のトム・バウアー氏が激怒した。英紙エクスプレスが12日に伝えた。
同大会は夫のヘンリー王子が長年にわたって主催し、負傷軍人や病気の軍人を激励するためのための国際的スポーツイベント。その重要性や意味合いを考えると、育児で合流が遅れたという説明は〝遅刻〟の言い訳にすぎない。
バウアー氏は「子供たちにミルクセーキを与えなければならなかったので、彼女が遅れたふりをすることは実にばかげていた」と厳しく指摘した。
しかもメーガン妃は、パパラッチに自分の写真を撮影させる契約をした父親のトーマス・マークル氏(脳卒中で療養中)と2018年から会っていない。
異母姉妹のサマンサ・マークル氏とも訴訟で争っている。ヘンリー王子がチャールズ国王夫妻、ウィリアム皇太子夫妻ら王室と絶縁状態にあることはいうまでもない。
自分の家族に不義理をしている人間が、自分の子供との家庭の重要性を語るのは矛盾がある、というわけだ。
「これは今夜、家族の重要性について話した女性のことです。
王室を破壊するために〝最善〟を尽くし、自分の父親を無視し、(インヴィクタス・ゲームで戦争の)犠牲者の世話をしなければならない方法について話すメーガン・マークルという女性です。
彼女にとって家族の重要性とは何なのか。
そして、彼女は脳卒中の父親(トーマス氏)をメキシコに残したまま訪ねようともしません。
そんな女性が家族の価値観についてスピーチしているのです」とバウアー氏の怒りは収まらなかった。
慈愛に満ちたスピーチを述べたメーガン妃に、この声は届くだろうか。
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今年のインヴィクタス・ゲームでも、シックなスタイルの数々を披露!
By Quinci LeGardye 2023/09/19Chris JacksonGetty Images
9月16日、メーガン妃はインヴィクタス・ゲームの閉会式で、大胆にもパーティドレスに身を包んだ。 メーガン妃はヘンリー王子とともに閉会式に登場。
リタ・オラとサム・ライダーのパフォーマンスに合わせて、夫妻は声援を送った。
この日、メーガン妃はカルト・ガイアのベアドレスを着用。
全体に花柄レースがあしらわれたようなデザインで、ターコイズブルーが目を引く。足もとはレースの隙間から素足が透けて見えている。
アクアズーラのポインテッドトゥパンプスを合わせ、小さめのフープイヤリングとカルティエのゴールドブレスレットでアクセサリーは控えめに。
センター分けで髪をタイトにまとめ、ツヤのあるピンクリップでナチュラルなメイクに仕上げていた。
Chris JacksonGetty Images
Chris JacksonGetty Images
このドレスは、5月にニューヨークで開催されたウィメン・オブ・ヴィジョン・アワードで彼女が着用したドレスと似ている。
ジョハンナ オーティズ(Johanna Ortiz)のメタリックゴールドのベアドレスで、フロントに小さなひし形のカットアウトと裾の中央にスリットが入っていた。
トム フォードのストラップサンダルに、キャロリーナ ヘレラのクラッチバッグ、そしてジュエリーでゴージャスなルックを完成させていた。
Kevin MazurGetty Images
12日に開催場所であるドイツに到着してから、メーガン妃は大会のイベントにシックなモノトーンスタイルで登場。
ジャケットにショートパンツのルックや、ボタンダウンシャツにスラックス、ザラのロンパースにかちっとしたブレザーを合わせるなど多岐にわたる。
最後のイベントには、クヤナ(Cuyana)によるクリームカラーのロングコートとパンツをエレガントに着こなしていた。
結婚式前に出演したトーク番組で、過去に妃と共演したと発言していた。
ラッセル・ブランド(Russell Brand)MelMediaGetty Images
イギリスの人気コメディアンでケイティ・ペリーの元夫としても有名なラッセル・ブランド。性的暴行疑惑が浮上している。
週末に発刊した新聞「ロンドンタイムズ」「サンデータイムズ」などに4人の女性が告白している。2006年から2013年の間にブランドからレイプされ、性的暴行や精神的な虐待を受けたと話している。
この頃から彼はイギリスのテレビ局「チャンネル4」やラジオ局「BBC」で自分の番組を持つ売れっ子だった。またケイティと交際、結婚していた時期とも重なる。
1人目の女性は30代のときにロサンゼルスにある彼の自宅でレイプされたという。レイプ被害車のための救急センターで手当を受けていて、そのときの医療記録が彼女の証言を裏付けているそう。
また2人目の女性は当時16歳。性的暴行を受け、3か月にわたって精神的な虐待と支配を受けた。
3人目の女性はブランドと一緒に働いていたときに暴行を受けた上、「このことを他人に話したら訴える」と脅迫されていた。女性は今後のキャリアに影響するのを恐れ、通報できなかったという。
4人目はブランドと交際していたジョーダン・マーティン。性的暴行と精神的な虐待を受けたと告白している。彼女は過去に書籍『kNot: Entanglement with a Celebrity』を出版、その中でもブランドの虐待について触れていた。
この女性たちの告発をきっかけに、他の被害者たちからも同様の告白が続いている。
ロンドン警視庁も「2003年にラッセルから暴行されたと通報があった」と発表、「どんなに昔の出来事でも警察にコンタクトしてほしい」と呼びかけている。
そんな中ブランドの過去の言動が掘り返されているが、ブランドが過去にメーガン妃について発言していたことが明らかになった。
ブランドは妃がハリー王子と結婚する1週間前にトーク番組「Loose Women」に出演。
「彼女は僕の主演映画『伝説のロックスター再生計画!』に出ていたんだ。すごくいい映画だ」と自慢。「当時はロイヤルと結婚していなかったから、まったく彼女に注意を払わなかったんだけど」。
「SUITS/スーツ」でブレイクする前の妃。 メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)Amy TierneyGetty Images
この映画は2010年に撮影されたもので、妃の名前はクレジットされていない。ドラマ「SUITS/スーツ」でブレイクするのはこの翌年のことである。
ブランドはこの作品についてよく覚えていないと話しつつ「でもあるシーンで彼女にキスしたと思う。
脚本に書いてあった。どこかで映像を見た気がするからキスしたのはわかっている」。
続けて「王子との結婚式で大主教が『この2人の結婚に異議のある人は?』って尋ねたときには誰かが『ラッセル・ブランドがあの映画で彼女を口説いていた!』と叫ぶべきだね」と冗談めかして話していた。
ラッセルは今回の性的暴行疑惑を否定、SNSに動画を投稿し「この頃の私は多くの女性と性的関係を持っていた。しかしすべて同意の上だ」と主張している。これから告発者が増えることも予想されている。続報にも注目したい。
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安部 雅延 : 国際ジャーナリスト(フランス在住) 著者フォロー
2021/03/18 13:00
インタビューで、人種差別を訴えたメーガン妃(右)とヘンリー王子(写真:PA Images/アフロ)
3月8日に放送されたアメリカの著名なテレビ番組司会者、オプラ・ウィンフリー氏のインタビュー番組内で、サセックス公爵夫人メーガン妃がイギリス王室内での暮らしを暴露しました。
とくに王室メンバーによる人種差別を訴えた波紋は、世界のメディアをいまだに賑わしています。イギリス王室は「王室は人種差別を行っていない」と公式声明を出し、ウイリアム王子も同様の声明を出しています。
このインタビューを受け、人種差別に敏感なアメリカではメーガン妃同情論が高まる一方で、イギリスでは批判と同情論に二分されています。
アメリカのCNNの看板番組を背負うラリー・キング氏の後継者も務めたイギリスの「グッド・モーニング・ブリテン」の司会者、ピアーズ・モーガン氏は番組内でメーガン妃の告白を「絶対許せない」と批判しました。が、メーガン妃からテレビ局への直接の苦情もあり、辞任しました。
一方、3月13日に発行された仏週刊紙、シャルリー・エブドの表紙に「なぜメーガンはバッキンガムを去ったのか」とのタイトルで地面に倒れ、女王の膝で首を押さえつけられたメーガン妃が「もう息ができなかったから!」という風刺画が掲載されました。
アメリカのミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドさんが警官の膝で首を押さえつけられ、「息ができない」と訴えて死亡した事件を想起させるものであり、イギリスのメディアが「このジョークは笑えない」と強く批判しています。
典型的な「異文化不適応」に見える
現時点で人種差別があったかの真偽は公式に確認されていませんが、私個人は、可能性が十分ありうると考えています。
イギリスには歴史的にアフリカ系人種を蔑視してきた過去があり、私の友人のロンドン大学教授が「ロンドンの東側には野蛮な黒人がいるから気をつけろ」と言っているのを聞いたこともあります。
そうした中で、王室で差別が起きないわけがないと思うからです。人種差別は許されるものではなく、もしその事実が明らかになれば糾弾されてしかるべきでしょう。
一方で、メーガン妃の言動について、フランスのビジネススクールで長年、グローバルビジネス、異文化理解などの教鞭をとってきた私としては、自分の経験も含め、メーガン妃の告白は典型的な「異文化不適応」にも見えます。
無論、王室が存在しないアメリカの一般人が伝統に支えられたイギリス王室に深く入っていくのはかなり特殊な状況ですが、メーガン妃の言動は、異文化に適応できていない人によくある言動と似ています。
まず前提としてアメリカとイギリスは日本人が考えるより、かなり文化は違います。アメリカ人は表裏がなく、オープンでダイレクトに表現しますが、イギリス人はいつも遠回しでなかなか本音を言いません。
メーガン妃の経験をたどってみると、カルチャーショックの第1段階はハネムーン期で、まさに彼女はシンデレラのように、多くの女性が憧れる王子様と結婚し、陶酔した段階でした。
一般的なケースで考えると、ある企業の海外駐在員が現地に赴任したときに、最初の1~2週間は観光気分で、すべてが新鮮に映る時期と同じです。
第2段階は、だんだんと英王室の習慣に違和感を覚える時期で、居心地の悪さがストレスになります。
駐在員に置き換えて考えると、地下鉄が時間通り来ないとか、買ったばかりの洗濯機が故障し、なかなか修理に来てくれないなど日本の常識で考えられない現実に遭遇する時期です。
自分の常識を横において受け入れるのがポイント
ここを乗り越えるポイントは、自分の常識を横において冷静に異文化を観察し、まずは受け入れることです。
そこでもし自分の常識で相手を裁いたりすると、異文化理解は遠ざかります。受け入れれば、自覚しないうちに自分の中でスタイルシフトが起き、何とか適応できるようになるものです。
ただ、それがメーガン妃にできたかどうかは疑問です。
第2段階をクリアすると、カルチャーショックは回復期に入ります。これが第3段階です。
ところがそのうち「やっぱりこれは納得できない」と当初から持っていた自分の価値観が頭をもたげ、今度は第4段階のさらに厳しいカルチャーショックに陥ります。
この第3段階から第4段階の回復期に転じるのはハードルが高く、駐在員であれば赴任うつ、国際結婚であれば離婚の危機に陥る可能性のある時期です。メーガン妃はその時期に差し掛かっていた可能性があります。
このカルチャーショックのどん底を超えると異文化耐性が身につき、異文化適応力は増すのですが、この試練は手ごわいものです。
私のようにフランス人の妻がいてフランスに住み始めた30年前、そんな知識も異文化耐性もなく、私と同じ状態にあった日本人の駐在員らと「この国はもう滅びの淵に立っている」などと、フランス批判を繰り返し、異文化理解を遠ざけた苦い経験をしました。
メーガン妃の越えなければいけないハードルが非常に高かったことは、想像にかたくありません。
王室に敬意を払う文化のないアメリカで、黒人の血の混じったマイノリティー社会で育ったメーガン妃にとって、それも人口の75%が白人のイギリスで伝統を誇るイギリス王室に入るのは、生易しいことではなかったはずです。
メーガン妃自身、オプラ氏とのインタビューで「考えが甘かった」と語っています。
もう1つ、メーガン妃は異文化適応上、絶対にやってはいけないルール違反を犯しています。それはアウェイでは相手をリスペクトするというルールです。
例えば、イギリス国内でイギリス国民が王室批判するのは容認されても、外国人からのイギリス王室批判は、日ごろ王室批判しているイギリス人であっても不快に思うものです。
身内同士の批判はいいが、部外者からの批判は別物
今回のメーガン妃のイギリス王室批判に国民の半分が不快感を持ったのもそのためです。
身内同士の批判はいいけれど、部外者からの批判は別物です。とりわけイギリス王室はイギリス人にとってコアな存在です。
メーガン妃に不快感を持った私の友人のロンドンの高校教師のロザリンは「人種差別はあったかもしれないけど、王室への敬意がメーガンから微塵も感じられなかったことは許しがたい」と言っています。
ロンドンのパブリックスクールのラテン語教師の友人、ロバートは「自分は、サセックス公爵夫人という不動のブランドをイギリス王室から手にしたにもかかわらず、そのブランドを授けた王室に敬意を払わず、被害者面するのは我慢できない」と批判しています。
実際、メーガン妃がヘンリー王子との結婚で手にした称号や名誉、巨額の資産はあまりにも大きいものです。
にもかかわらず、そのサセックス公爵のブランド力で、慈善活動や靴や衣服に使う「サセックス・ロイヤル」の商標登録から始まり、イギリス王室のドロドロした人間模様を脚色したドラマ『ザ・クラウン』を配信するネットフリックスと2020年9月に約155億円と言われる額で契約したことなど、恩を仇で返すような行動に「ヘンリー王子夫妻は裏切り者」と憤慨するイギリス人も少なくありません。
さらに、これからもビジネスに最大限利用しようとしているロイヤルブランドを自ら傷つけるような発言をするのは得策とはいえません。
一時的にアメリカで同情を買ったとしても、そのブランド力を傷つけ、イギリス王室の好感度を下げた代償は大きいでしょう。
アメリカの正義の価値観からすれば王室の人種差別を明るみに出すのは正しいとされるかもしれませんが、標的にしているのは他国のイギリスです。
イギリス王室への攻撃的発言は、すべてのものがネガティブに映り、自己保身のために自己正当化を試みる典型的な異文化不適応の状態のように私には映り、残念です。
ヘンリー王子は「文化の案内人」になれなかった
欧米のビジネススクールでは、グローバルビジネスには「文化の案内人」が重要な役割を果たすことが強調されています。
異なる両方の文化に精通し、とりわけ異文化の国や地域に住む外国人にわかりやすく国・地域特有の文化を解説し、消化不良を起こさないようにする。
そして受け入れる側には異文化を持ち込む人間の持つ価値観や慣習を説明し、深刻な対立が起きないようにするのが「文化の案内人」です。
メーガン妃にとって異文化のイギリス王室への適応で最も重要なポジションにいるのがヘンリー王子です。
メーガン妃は自殺を考えるほど追い込まれたといいますが、ヘンリー王子はどうしていたのでしょうか。
英調査会社ユーガブ(YouGov)が3月12日発表した世論調査結果によれば、今回のインタビュー放映前の今月初めに行われた調査では、王子に好感を持つ人は53%だったのが、インタビュー後、過去最低の44%まで下落し、とくに65歳以上のイギリス人の場合、69%がヘンリー王子に不快感を示しました。
生まれたときからイギリス王室の高位にあるヘンリー王子は追い込まれたメーガン妃に対して、王室の解説者であり、妻を守る立場で適応を手助けする必要があったのは間違いありません。
実は王室にとってメンバーの好感度は過去のいかなる時代より重視されています。
ダイアナ妃がパリで事故死した後、エリザベス女王が声明を控えたことが批判され、王室は存続の危機に晒され、以来、女王は国内外の王室への評価には敏感になっています。
ヘンリー王子が選んだ黒人の血の入ったアメリカ人女性を受け入れたのも、王室が白人優位主義ではないダイバーシティに適応していく姿勢を見せるためだったと王室関係者は解説しています。
今回のユーガブの調査では、ヘンリー王子の父チャールズ皇太子の好感度も57%から49%へと下落しました。
一方、エリザベス女王の支持率は80%という高い好感度は維持されています。
在任69年のエリザベス女王の君主としての哲学は「無私と義務を果たす」ことだと言われています。公務に徹する姿勢は、日本の天皇家にも通じるものがあります。
ただ、自由と個人の選択を重視するイギリス王室では、女王の哲学を継承するのは困難を極めていることが垣間見えます。
ヘンリー王子夫妻はイギリス王室の弱体化を招く?
では、今後のイギリス王室はどうなっていくのでしょうか。
フランスの日刊紙ル・モンドは、3月11日の「バッキンガムを揺るがすヘンリーとメーガン」と題する社説で、「共和国(フランス)の市民がイギリスの君主制の本質を理解するのは難しい」と前置きしながらも、ヘンリー王子とメーガン妃の息子アーチー・ハリソン・マウントバッテン=ウィンザーは、今はなくてもチャールズ皇太子が国王になれば、王位継承順位第7位の殿下の称号が与えられ、ヘンリー王子夫妻の放った「毒矢は、王位継承者たちに突き刺さることだろう」と皮肉を込めて結んでいます。
今から約230年前に国王夫妻をギロチンにかけたフランスでは、とくに左派リベラルのル・モンド紙のイギリス王室への見方は厳しく、イギリス王室内の公平性、平等性を欠く事柄には敏感で、ヘンリー王子夫妻の“毒矢”はイギリス王室の弱体化を招くと指摘しています。
人種差別の真偽とは別に王室がメーガン妃を追い込んだことの責任は重いと思われます。この解決法は対立する両者が腹を割ったコミュニケーションの機会を何度も忍耐強く持つしかないと私は思います。相手の話を注意深く聞く姿勢がなければ解決の道は見えてこないでしょう。
王室がプライドからメーガンに忖度を一方的に求めているとするなら、ダイバーシティは程遠いと言えます。
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