例によって例の如く『新進軍歌全集』よりの一曲ですが、今回は珍しくメロディが軍歌「陸奥の吹雪」と同じものだと判明しています。なお作詞者はいつものように不明な模様。
殉難潜水艇
(陸奥の吹雪と同譜)
一
今をさかりと咲く花の
頃しも卯月十五日
君と国とに酬(むく)いんと
伎倆(ぎりょう)を磨く艇とゝも
新島辺(あたらしまべ)の波の間(ま)に
散りにし花ぞいと惜しき
二
潜(くぐ)りて進む水の底
命のつなと頼みして
閉塞弁の鎖切れ
漲(みなぎ)る潮(うしお)おこる瓦斯
常世のやみに襲はれし
あゝ第六の潜水艇
三
あはれ呼吸(いき)も迫り来ぬ
今はの際(きは)の束(つか)の間(ま)も
己(おの)が本分守りつゝ
勇士の最後かくなりと
乱れぬ様を世にとゝ゛め
斃れてやみし大和武士
四
はや是れまでと艇長の
責(せめ)を我身(わがみ)に負ひて謝し
功(てがら)は部下にと帰して揚げ
別れを告ぐる言の葉も
涙と血もて書きし文(ふみ)
読みては誰(たれ)か泣かざらん
五
十有三の艇員は
心を砕きひたすらに
部署を離れず退(しりぞ)かず
従容自若泰然と
職に殉じて潔(いさぎよ)き
覚悟のほどこそ雄々しけれ
六
あな勇ましの勇ましの
佐久間大尉を始めとし
花より清き大丈夫(ますらを)の
笑ふて眠る英魂は
天晴(あっぱれ)武士の鑑ぞと
千代萬代(ちよよろづよ)に歌はれん
既に大体の皆さんがお気づきだと思いますが、歌の題材となっているのは1910(明治43)年4月15日に起こった第六潜水艇の沈没事故ですね。
この事故の際に佐久間大尉以下十四名の殉職者が最後まで配置についたまま亡くなり、また艇長が事故の原因や殉職者遺族への配慮などを記した遺書を認めていたことは有名で、大和田建樹作詞、瀬戸口藤吉作曲による「第六潜水艇の遭難」という著名な軍歌も作られています。
殉難潜水艇
(陸奥の吹雪と同譜)
一
今をさかりと咲く花の
頃しも卯月十五日
君と国とに酬(むく)いんと
伎倆(ぎりょう)を磨く艇とゝも
新島辺(あたらしまべ)の波の間(ま)に
散りにし花ぞいと惜しき
二
潜(くぐ)りて進む水の底
命のつなと頼みして
閉塞弁の鎖切れ
漲(みなぎ)る潮(うしお)おこる瓦斯
常世のやみに襲はれし
あゝ第六の潜水艇
三
あはれ呼吸(いき)も迫り来ぬ
今はの際(きは)の束(つか)の間(ま)も
己(おの)が本分守りつゝ
勇士の最後かくなりと
乱れぬ様を世にとゝ゛め
斃れてやみし大和武士
四
はや是れまでと艇長の
責(せめ)を我身(わがみ)に負ひて謝し
功(てがら)は部下にと帰して揚げ
別れを告ぐる言の葉も
涙と血もて書きし文(ふみ)
読みては誰(たれ)か泣かざらん
五
十有三の艇員は
心を砕きひたすらに
部署を離れず退(しりぞ)かず
従容自若泰然と
職に殉じて潔(いさぎよ)き
覚悟のほどこそ雄々しけれ
六
あな勇ましの勇ましの
佐久間大尉を始めとし
花より清き大丈夫(ますらを)の
笑ふて眠る英魂は
天晴(あっぱれ)武士の鑑ぞと
千代萬代(ちよよろづよ)に歌はれん
既に大体の皆さんがお気づきだと思いますが、歌の題材となっているのは1910(明治43)年4月15日に起こった第六潜水艇の沈没事故ですね。
この事故の際に佐久間大尉以下十四名の殉職者が最後まで配置についたまま亡くなり、また艇長が事故の原因や殉職者遺族への配慮などを記した遺書を認めていたことは有名で、大和田建樹作詞、瀬戸口藤吉作曲による「第六潜水艇の遭難」という著名な軍歌も作られています。
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