鮎川玲治の閑話休題。

趣味人と書いてオタクと読む鮎川が自分の好きな歴史や軍事やサブカルチャーなどに関してあれこれ下らない事を書き綴ります。

帝国趣味的石造物観賞ノススメ。

2015-03-11 03:56:46 | 歴史
3月ももう中旬となりましたが、日本海側では昨日今日あたりが大分荒れ模様らしいですね。
先月、私はそんな日本海側の鳥取、島根両県を5日間ほどかけて旅行してまいりました。
本記事は直接旅行のことを書く訳ではないのですが、まあきっかけとしてのネタ振りということで。

旅行先で神社や寺院などに行くと、そこら中に石碑やら石灯籠やら狛犬やらがあるのが目に付きます。
ただなんとなく眺めているだけならどうって事は無い単なる石造物ですが、細かく見てみるとこれが中々どうして面白いものです。
こういったものには大抵奉納した人や組織の名前、また奉納された年月や目的などが書いてありますが、結構心をくすぐられる内容のものがあるのです。特に私のような帝国日本が大好きな人間にとっては。

 

一例として、今回訪ねた鳥取県の白兎神社にある狛犬を見てみましょう。
台座に「凱旋記念」とあります。奉納年月日は昭和10年10月17日です。
どのような戦いから「凱旋」したのかは詳しく書いてありませんが、時期的に考えて満洲事変あたりと考えるのが妥当でしょうか。

 

こちらは島根県にある玉作湯神社の石灯籠です。旧軍関係の収集家にはすっかりお馴染みの在郷軍人会の徽章が彫られており、同会による奉納であることが推測されます。奉納年月日は昭和10年4月。
台座部分には「日清北清日露戦役従軍者」や「満州事変従軍者」などの奉納者一覧が刻まれています。今気づきましたが、これは「満洲」になってませんね。奉納者の名前には位階勲等が付されています。

こうした帝国日本の残滓とも言うべき石造物は、なにも有名な神社ばかりにあるわけではありません。地方の神社では戦前に建てられた神社名の石碑のうち、「村社」や「県社」などの社格をコンクリートで埋めて抹消した(まあ読めるんですが)ものがそのまま使われていることは良くありますし、「御大典記念」や「紀元二千六百年記念」などの文字がある祠や石碑もそこら中で見られます。多分あなたの家の近所にある神社にもあると思いますので、興味がおありの方はぜひ探してみて下さい。

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