鮎川玲治の閑話休題。

趣味人と書いてオタクと読む鮎川が自分の好きな歴史や軍事やサブカルチャーなどに関してあれこれ下らない事を書き綴ります。

埋もれた軍歌・その31 陸軍工員の歌

2015-07-25 23:01:27 | 軍歌
お久しぶりの軍歌紹介です。今年の四月から私も大学を卒業し、晴れて労働者の一員ということになりました。
だからという訳でもないんですが、今回ご紹介するのは「陸軍工員の歌」です。
これは昭和17年に兵書出版社から発行された『精神作興 輝く軍歌集』の増補頁に収録されているものです。作詞、作曲は不明。


陸軍工員の歌

一、
破邪顕正の剣をとりて
東亜を守護(まも)る我が皇軍と
道一筋をたゞ歩み行く
吾等の使命おゝ尊しや
工員々々陸軍工員

二、
守護(まも)る東亜に事ある時は
軍(いくさ)の神に捧ぐる名器
山川震ひ草木なびく
我等の任務おゝ尊しや
工員々々陸軍工員

三、
磨くや技倆(ぎりょう)励むや任務
誓は堅し銃後を守る
皇軍栄えてわれ矜持(ほこり)あり
われ等の名誉おゝかぐはしや
工員々々陸軍工員

四、
時は非常時わが工員よ
こぞる十萬腕を揮ひ
玉なす汗を国に捧げむ
われ等の覚悟おゝ勇ましや
工員々々陸軍工員



増補頁に収録されていることから考えて、恐らく作られた時期は日米開戦後ではないかと思われます。
「陸軍工員」とは陸軍工廠で働く労務者のことで、帝国陸軍の兵器生産は彼等無くては成り立たないものでした。
工員の大部分は基本的には軍属等のうち「軍属にあらざる者」として扱われていたようですが、戦時には例外的に軍属扱いになることもあったようです(参考:リンク先)。
実際にはかなり下級の存在として扱われていた陸軍工員ですが、この歌の中では誇りある技術労働者といった感じで描かれていますね。
実際に陸軍工員として働いていた人物による作詞なのか、それ以外の人物による作品なのかが気になるところです。

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