【行き倒れとなった吟遊詩人のマリウスは、不思議な人物に助け起こされた。気を失う前に彼が見たものはたくましい肉体、そして豹の顔――豹頭人身の超戦士グインが、彼を助けたのだった。二人はケイロニアを目指して赤い街道をゆくが、やがて道に迷い奇怪な都へたどり着く。そこは死を売る都ゾルディーア。彼らが訪れたとき、そこでは謎の宝石“イリスの石”をめぐる陰謀が渦巻いていた!】
マリウスとグイン。ここで出会ってたのね。
マリウスはグインの冒険を伝える語り部になるべく、グインにくっついて回る
ゾルティーアの都で”イリスの石”を持っていると勝手に勘違い?され、捕まってしまい、持ってないと知ると(というか何度もそう言ってたし)牢に閉じこめられ…。
《死を売る都》ゾルティーア。住民はすべて、葬儀屋、墓づくり、ミイラづくり、骨拾いを生業としている。で、みんな暗く陰鬱、全く生気がない。「死」を求めて来る人みんな「死」に執着している。ま、結局「死」への執着=「永遠の生」への執着なんだな。執着がなければみんな明るいはず。
《死の娘》タニア。生への執着が強く、”支配欲”に支配され、何千年も死ねないでいる魔女。いつまでも死ねないのも辛いでしょうけどね(アル=ケートルは何てことを)。
生きるとは?死とは?・・・わけが分からなくなってる。
グインに諭される。さすが、グイン。
でも、グイン自身も自分が何者かわからないことを悩んでいる。
でもね、グイン。自分が何者かわからないからこそ、強くたくましくしなやかに生きていけるってこともあると思うよ。
>「・・・私はこの世で最高の秘密を手に入れて、全世界をこの手におさめることができる!」
>「・・・お前は生きているのだ。何故ならー何故ならお前は、ひとたび死んだと口にしながら、なおもそのお前のいうかりそめのこの世を、支配しようという執着にとりつかれているのだからな。生がかりそめなら、なぜ死の中にやすらわぬ。・・・死にながら死を得ることのできなかった亡者だ。さまよう呪われた魂だ。お前こそは生そのものだ!・・・死すべきさだめは呪詛ではない。それあってこそはじめて人は生命なのだ。死ぬことも、生きることもできぬお前は、哀れな見すてられた怪物だ、魔女よ!」
マリウスのナイスな一言
>「死人のくせに、やはり死ぬのは怖いんじゃないか!」
あとね、「どうしても、無から生命を生み出すことだけができない」(タニア)って、当たり前だよ。
生も死も、思い通りにはできません。
>「俺にわかるのはただ、俺が自分を生きていると信じていること、そして、生きたいし、死にたくないと思っていることだけだ。」(グイン)
そうでしょう。それが人間だからね。
でも、この「生きたい」という本能が、強すぎる執着となってしまうと、あの恐ろしい怪物になってしまうのですね~。ギョギョ~
こわいね~ 執着って。
さっぱり生きて、死ぬときも思い残すことがないようにしたいもんですな
星4つ
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