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「痴人の愛」谷崎潤一郎

2017年09月29日 | 読書

痴人の愛

【きまじめなサラリーマンの河合譲治は、カフェでみそめて育てあげた美少女ナオミを妻にした。河合が独占していたナオミの周辺に、いつしか不良学生たちが群がる。成熟するにつれて妖艶さを増すナオミの肉体に河合は悩まされ、ついには愛欲地獄の底へと落ちていく。性の倫理も恥じらいもない大胆な小悪魔が、生きるために身につけた超ショッキングなエロチシズムの世界。】

男はバカで、女はコワイ、、、というだけの話ではない。

数えで15歳のナオミ(まだ子ども)を、いい女性(妻)に"育てる”などと言いながら、要は”お人形遊び”のように自分好みの手元に置いておきたかっただけじゃないの?見せびらかしたいとか、見た目がいいとか、自己満足・自分の欲を満たすために。エゴ・・・。

我が儘で傲慢でふしだらでやりたい放題。女王様気どりのとんでもない悪女に育ってしまったわけだけど、そういうナオミにしたのは29歳の成人で夫の河合。甘やかし、いいなりになり、反抗すれば「出て行け」、でも謝りさえすればまた甘やかす、、、しっかりしろよ!

15歳~19歳といえば、難しい思春期。無関心で、恵まれない(愛情が薄い)家庭環境で育ち、15でカフェに奉公に出され、そこで河合に目をつけられ、もらわれていき、、、甘やかされながら本能的に”生き延びるためのちえ(武器)”を身につけていったわけだね。河合という大人を軽蔑しながら。本当の(無償の)愛情ではないこと(エゴ)を感じて、そりゃ反抗もするわ。

河合はナオミがこうなったのは実家の家業や育ちのせいにしてるけど、とんでもない。本人の責任はなくはないけど(業)、子どもだったナオミをここまでにしたのは河合。痴人(賢くない人)はすぐ責任逃れをするね。

友人は選んだ方がいい。伴侶も同じく。

人間関係は愛着、執着ではなく、慈悲喜捨の心で。

河合もナオミもバカ(痴人)で、気の毒だ。人間の本能丸出し。
もう少し理性を働かそうよ・・・特に本能(性欲?)にやられてる河合。自業自得だわ

でも、それでも二人がそれでいいというなら、そういう夫婦があってもいいさ。それぞれの人生だし。でもいつか、苦しみである愛着の高熱が治まり、温かな慈悲の関係になることを祈りたいものです。

「大人の責任」です。
痴人の愛は愛欲、執着、エゴ…だね。はあ~

でも面白かった。谷崎潤一郎、、、読ませるねえ。

 

星5つ 

愛という言葉は、広くてわかりにくい。必要なのは慈悲と智慧ですな。

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