ありしひをおもひてそでをしぼり こぬひとをまつはほいなきこととおもへども なほつれづれにおもひいづるはきみがそらことにて つきのしろきおもてにおもかげをやどしてまたそでをぬらせばかわくまもなし。うらみてもなほうらめし。ながめくらすひのふるによりてこひしきおもひつのり よをひるとなしてきみをうらみたるを しらずにあるがくちおしく たへがたきおもいいかでかはらわむとのみおもひなしてよめるも うらにはこひしくおもふらし。あやしのこころとぞ。
ぬばたまのよはかぎろひのゆめなりき おぼろにおもふきみがむなこと
たまさかるきみがそらごとそらだのみ こよひもかよふゆめのうきはし
うらみわびおもひはよるをあまがけて おにともなりてきみほろばさむ