「-春ののどかな田舎の小川で鮒釣りしてて
かたわらのお地蔵さんが笑ったような顔に見えたー
岡本おさみの詞で吉田拓郎が歌った<野の仏>
好きやな、なんやガキの頃思い出す。
そのころ若かった人はみんな年老いた 病弱男女になってしもた。
のどかな春のお地蔵さんの絵や。
ー春うらら 蝶も飛びかう 野の仏ー」
「こんなお地蔵さん おるかいな。」
「それがおるんや。調布の深大寺のとある蕎麦屋の前に。
蕎麦をおいしそうに食ってるお地蔵さんいうんか
石の彫刻か 石仏かわからんけど おるんや。」
「なんや噺家の小さんに似とるな、やさしい顔して ええ雰囲気やな。」
「京都、奈良の仏像もええけど 田舎の道ばたや だれもおらん古い寺にならぶ
雨ざらしのお地蔵さんも庶民的でええな。」
京都 薬師如来立像