相 絵一の偽画工坊

気まぐれ映画絵日記

不義理の私

2017年04月08日 | アート・文化

 寅さんの帝釈天を訪ねた 関西の老夫婦。

 「春やな 何やかやいうて また桜の季節になってしもた。」

 「パッと 咲いて明かるうなって パッと散る。桜もなんか淋しな。
  桜吹雪の 鈴木清順も亡うなってしもたし。」

 「わしみたいな 人生義理を欠いたジジイでも、毎年桜を見るのは楽しい。
  桜はええな。」



  ー行き交う人もまた旅人なりー

  「人に病んで 矢切の渡しに桜散る さよならだけが人生だ」

 「どっかで聞いたことある句やな。
  桜散る やのうて 桜咲く のほうがええんやない。」

 「もう 希望もてる歳やないからこれでええんや。」

 「話変わるけどな 映画見てて 二つおもろいこと見つけたんや。
  81年のジャック・ニコルソンやのうて、46年のラナ・ターナーの
  郵便配達は出てこん <郵便配達は二度ベルを鳴らす>ちゅう映画や
  そん中でな 日本では見たことのないLPのジュークボックスが出てきたんや。
  めずらしいやろ。70年にNYに行った時 はじめて見てな、
  これはええもんや、と思た。シングルレコードのジュークボックスしか見たことなかったからな。
  ビックリしたのを覚えとる。それが映画の中に出てきてな なんやうれしいてな。

  もうひとつはな 主人公の悪い奴がな こんなセリフ吐きよったんや。
  ”生きてるだけでもうけもん” ちゅうんや。これ さんまのセリフやろ。
    どっちが先か 聞いてみなな。」

 「ほな さいなら。」
  
  

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