亡き長甥の保存遺品類が入った荷物が、うちに届いた。
その中に、奴が、自慢の高性能自作PCの前に飾っていた架空の名機。
「FAF FFR-31MR/D SUPER SYLPH"YUKIKAZE"」
ALTER製1/100フェアリィ空軍戦術戦闘電子偵察機スーパーシルフ“雪風”が。
きちんとパッケージに収められて、入っていた。
まあ、四十九日が過ぎるまでは、奴の霊前に供えるとして。その後は。
神林長平著「戦闘妖精・雪風」シリーズは、己も愛読しているし。
他にも長甥の趣味を熟知(?)している己が、形見としてこのモデルを継承することにした。
惜しむらくは搭載ミサイル・パーツが1個、欠損していることか。
上京して長甥の部屋の整理をしていた長姉が、うっかり失くしてしまったらしく。
ま、状況が状況ゆえ、これは致し方無し。
・・・奴の魂は、この“雪風”を駆って、自由に天空を飛翔しているのだろうか。