「おまえ達も皆、知っているように、慢心は人間最大の敵だ。運命を撥ね付け、死を嘲り、野望のみを抱き、知恵も恩恵も恐怖も忘れてしまう」。暫く続けているが、こちらもウィリアム・シェイクスピアの戯曲、『マクベス』の名台詞だ。確かに慢心は人間最大の敵だろう。全てを見失ってしまう。なので危険でもある。正に「驕り高ぶる事なかれ」だ。俳優の香川照之さんが消える寸前だ。それはパワハラやセクハラが原因だが、常軌を脱した行為は「なんで此処まで出来るのか?」と思う程、目に余るらしい。折角、この人、澤瀉屋で九代目市川中車を襲名し、梨園に復帰したのに、このザマである。しかしながら過去の芸能界では、その当人がどんなに卑劣でも、不思議と不祥事は表沙汰にはならなかった。だが今やネット社会だ。そんな素性位はすぐバレる。なので以前は芸の肥やしだった事でさえも、一般人同様の尺度で清廉潔白な人物像を求められるのだ。とは言え歌舞伎とて興行。元々は(その土地の)侠客が仕切っていた。そこで名を残す者も居たが、そんな世界だ。嘗て上岡龍太郎さんが言っていた。「芸人ちゅうんはなんや言うたら、落ちこぼれ人間ですよ。社会のはみ出しもん、アウトロー、いわば暴力団と一緒ですから。我々とヤクザは一緒。そやからあの、芸人とヤクザが癒着したらいかん言うけどウソあんなもん。根が一緒やから癒着もなにも、もともと同じタイプの人間やからね」と。これはピンでの全盛期にテレビ番組で語ったものだが、正にそうだと思う。その上で芸能人に清廉潔白を求める風潮については「政治家とか実業家とか宗教家とか教育者に代わってこっちが『いや、皆さん一生懸命やりましょう、真面目はいいことです』って言わないかんようになったんじゃ情けない世の中です。あの辺がしっかりしてくれたら私らも楽になるんやけどね」とも言っていたが、正にそうだ。現在は、横山やすしさんのような破滅型芸人は出づらい風潮だ。
その清廉潔白は、スポーツ界にも求められるが、それを言うと「国際五輪委員会(IOC)の金満体質はなんじゃい?」と思う。こちらも“地獄の沙汰”で、お金で不正位はどうにでもなる。面倒なのは、そこに政治力まで加味される事だ。だから開催国自体に問題があった時に「政治とスポーツは別」だと開き直られても白けるだけだ。それだけ関連の委員会は政治と癒着している。現に不祥事の度に政治家が絡むのは当たり前な状態だ。そんな天下り委員会だ。だから東京大会での不正も、今更驚いたような報道をされてはアホらしいだけだ。こちらも解体再編が望ましい業界だ。(あの開会式は、大手代理店が、関係業者に仕事を振り分けたい意図で、殆ど決まっていた案を全てひっくり返したと取られても仕方ない事態となってしまった。)IOCについては中共政府が、人道的な見地(ウイグル自治区でのジェノサイドや人権弾圧)からでも国際的に非難を浴びていたのに開催された「北京冬季五輪」に、その現実を見る思いだ。つまり「開催国は、何をしている国なのか?」だ。これで【平和の祭典】とは白々しい。
此処で凶弾に倒れた元総理の安倍晋三氏の功績を讃え、氏を偲ぶ為の国葬について触れておくが、9日に駐日ジョージア大使のティムラズ・レジャバ氏が自らのTwitterで見解を述べていたので紹介をしておこう。曰く「国葬をめぐってメディアや日本の一部のオフィシャルからあれこれと発言が出ていることを残念に思います。それどころか、故人に対する目に余る言動に心を締め付けられております」と。その上で「たったひとりでも国外からの来賓があるならば、国民が一丸となって対応することが日本の懐ではないのでしょうか」と意見を述べていた。更に「また、問題があるとすれば機会を改めて吟味すれば良いのではないでしょうか」と。そこで「今は政治ではなく日本全体の姿が試される局面です。私は、まったく必要なく悲惨な死を迎えてしまった安倍元総理の英霊を敬い、歴史に残る国葬となる覚悟で出席を表明致しました」と結んだのだが、その御指摘はごもっともである。
駐日ジョージア大使 安倍元首相の国葬を巡る報道に「国外からの来賓があるならば、国民が一丸と…」
https://news.yahoo.co.jp/articles/ecf61a4554cce79d4b2ce25044c2fafdb15d8597
山上容疑者へ支援金100万円超に「気持ち悪い」と嫌悪感続出…減刑署名は8千人超えの止まらぬ擁護の波
https://jisin.jp/domestic/2133490/?rf=2
森喜朗元首相を参考人聴取 東京地検特捜部、五輪汚職めぐり複数回
https://www.asahi.com/sp/articles/ASQ9877C7Q98UTIL01S.html
上岡龍太郎「芸人とヤクザ」論に込められた「正反対の思い」とは
https://news.nicovideo.jp/watch/nw5779381
佐藤信顕@葬儀葬式ch 日本一の葬祭系Youtuberです @satonobuaki
https://twitter.com/satonobuaki/status/1568498407127552002?s=19
それだけ日本の左翼の感覚が狂っているのだが、こんな動きもある。女性自身によると「山上徹也容疑者(41)が、参議院議員通常選挙の演説中の安倍晋三元首相(享年67)を銃撃した事件から2カ月。現在、大阪拘置所で鑑定留置されている山上容疑者のもとに多数の支援が届き物議を醸している」と。勿論、反安倍派の動きだが、何だか山上容疑者が、伊藤博文を暗殺した「安重根」と重なる。つまり英雄視をされているのだ。そこで呆れたのが、その記事によると「署名サイト『Change.org』で7月15日から始まった検察庁長官宛の“山上容疑者への減刑を求める署名”はついに8000人を超えました。減刑を求める理由には“過酷な生育歴を鑑みての温情”と“本人が非常に真面目、努力家であり、更生の余地のある人間である事”などがあげられています」と。バックは何処だろう?たぶんソッチ系だと思うが、国葬を欠席する立憲民主党の女性議員2名と、社民党の女性党首は、揃って自慢気に、その出欠確認のハガキをSNSに晒した。それがどんなに恥ずかしい行為かは、全く自覚はないようだ。まるでアノ国の議員のようだ。ちなみに2ちゃんねるのひろゆき氏は、そんな者達に呆れ「人の葬式に行かない人は、黙って行 かなければいいだけです。「行きません」とわざわざ言う必要はないと思います」。「遺族と参列者に失礼です。葬式に行かない人に 「行くべきだ」という人は野暮です」。「弔意を表す、表さない、表し方は、個人の自由です」。「強制されたものは本心からの弔意ではないです」とtweetしていた。思わず聖書にある、ルカの福音書23章34節の「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか分からないのです」が頭に浮かんだ。
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