宇宙世紀0079。膠着状態の地球・アジア戦線であったが、ジオン軍の巨大MA・アプサラスの攻撃によりコジマ基地は大隊ごと壊滅。それにより連邦軍は戦線を大きく後退することになるのだった。出撃中のシロー達は辛くも難を逃れたのだが、早くも侵攻してくるジオン軍を前にジャングルの中に孤立してしまう08小隊。強行突破を唱えるメンバーだったが、シローは・・・・・・。 人気OVAノベライズ版、第二弾!裏表紙より。 気付けば上巻を書いてからもう2週間以上(1回目、2回目、3回目)。
だって中巻はね・・・・・・うん。
第一章 再会【悲報】コジマ基地、壊滅
シローの小隊は、三度目の出撃から無事に帰還した。これで、サンダースのジンクスにもピリオドが打たれたかに見えたのだが・・・・・・。
「まだ、終わってなかったんだ」
『上空の何か』『ジオンの新兵器』の仕業に違いない。
しかし、08小隊のガンダムの武器は全機マシンガン。
上空の敵への攻撃には火力不足が明らか・・・・・・!
「とにかく、武器を探すんだ。俺が戦っているうちに、やつを墜とせるような武器を探し出せ」空からの攻撃をどうにか避け続けるシロー。
だけどこのままじゃ時間の問題だ!
武器はまだかー!
(まだなのか、カレン、サンダース・・・・・・)器が広くなると視野も広くなるんじゃよ。
さすがに、シローは焦ってきた。が、通信するつもりはない。
(俺の焦りを、彼らにまで伝染させてはならない)
カレンが感じた通り、シローは急速に隊長らしくなってきている。視野が広くなったというのだろうか。複数の視点で、物事を見られるようになった。
でも、器が広かろうが視野が広かろうが・・・・・・
「しまった!?」この状況で文字通り「足を失う」ということは、つまりー
左膝の部分が赤く明滅している。どうやら、左膝のサスペンションが損傷したらしい。
逆光の中、敵機がシルエットとなって浮かび上がっている。そこで問題だ!
その影は、シローが見つめる中、ゆっくりとその体内に光を生み出しつつあった。
この損傷し(いかれ)た足でどうやってあの攻撃をかわすか?
3択―ひとつだけ選びなさい
答え①ハンサムのシローは突如反撃のアイデアがひらめく
答え②仲間がきて助けてくれる
答え③かわせない。現実は非情である。
追い詰められたシローは、それに賭けた。正解は①でしたー。
そして、シローは賭けに勝ったのだ。
仲間の支援待ちの場面だから「もう\(^o^)/→間に合った!」でも自然な流れだけど、
そこを自力で切り抜けるのがシロー。逆境○
よーし、反撃だ!
「逃がさないぞ、ジオンめ!」
「ジオンめ、地球から出ていけっ」なんということでしょう。
また、男の声が聞こえ、アイナの手は凍りついたように動かなくなった。その声に聞き覚えがあると気付いたからだ。
(まさか・・・・・・?)
偶然にしても、できすぎている。
『ジオンの新兵器』アプサラスに乗っていたのは、あのアイナだったのです・・・・・・!
「どうして・・・・・・俺は、戦争を終わらせて、サイド3に会いに行くつもりで・・・・・・そうしたら、時計を返して・・・・・・だから・・・・・・ああっ、何言ってんだ俺は」戦闘では機転が利くシローも、流石に動揺を隠せない模様。
2人は互いに攻撃を停止したものの、
ここで何も知らないサンダースが長距離ビームを一撃。
機体にダメージを受けたアイナは、シローを残しその場を離脱するのでありました。
とりあえず目の前の脅威は去ったものの、
基地が壊滅した以上、ジオン軍が攻め寄せるのは時間の問題。
「コジマ基地の部隊は、ほとんど撤退しています。我々も、撤退して後方の部隊と合流するべきです」部下の意見は4人全員が「撤退するべき」。
しかしシローの答えは・・・・・・
「いや、ダメだ」( ゜Д゜)ハァ?
シローは、部下たちの意見を冷静に否定した。
「既に、退路は断たれたんだ。先に撤退した連邦軍は、ジオンの待ち伏せにあっている」アイナの「友軍との通信」を、実は聞いていたシロー。
ううむ、動揺しながらも必要な情報はしっかり掴みよる。
「ようやく分かった気がするよ。この戦場が『線』ではなく『点』だって意味が・・・・・・」厄介だなぁ。
着任時、コジマ大隊長が言っていた。ジャングルでの戦闘は、「線」ではなく「点」だと。だから、ジオンの部隊は易々と後方に回り込めたのだろう。通常の戦場なら、その過程で連邦軍の「戦線」に引っかかるはずなのだが。
・・・・・・撤退が不可能ってことは、万事休すじゃないっスか。
「大丈夫だ。俺に、考えがある」そんな絶望的状況を打ち破るシローの思い付きとは・・・・・・!?
走る体勢のまま、ジムは爆発した。ユーリ・ケラーネ少将率いるジオン軍は、撤退しようとしていた連邦軍を次々と撃破。
呆気ない最後だった。
アリダ・ヴァリ大尉に言わせると『手応えのない連中』『モビルスーツがかわいそう』。
全く情けないナ、連邦軍は・・・・・・。
(志がないから弱いのだ――と、総帥は言うが)レビル将軍は「ジオンに兵なし」演説したけど、「連邦(の上の方)も兵なし」だよねぇ。
もちろん、それもあるのだろう。
だが、ユーリはそれだけだとは思っていない。おそらく、連邦という組織が、軍隊というより警察的なところに問題があるのだと思っている。もっと言えば官僚的で、デスクワークの得意な人間が上に行きやすいようにできているのだ。総司令部の中で、銃が撃てるのはレビル将軍だけだとも聞いている。
ジオンの損害は軽微。この戦いの後、ジオン軍で作成された『投降した連邦兵士のリスト』。
一方、連邦軍は壊滅。残存兵力は、後方の基地まで全面的に撤退。
それが、アプサラス奇襲に始まる、一連の戦いの結果だった。
『その中にシロー・アマダの名はなかった』のであります。
第二章 潜伏右足を失ったものの『名誉の負傷』として受け入れ、
大人たちは、マティに新たな〝任務″を与えた。歩行のリハビリをかねて、仲間に弁当を運ぶ役目だ。
マティはいま、その任務中だった。
動けるようになるや自分から『また〝任務″がやりたいと言い始めた』。
・・・・・・たくましいなぁ。
ヘタレ極まる08小隊の前隊長は、マティの爪の垢でも飲むといいよ。
マティが到着した場所にいたのはキキと・・・・・・なんとシローとミケル、
そして3機の陸戦型ガンダム。
そう、シローたち08小隊はバルク村にかくまってもらったのです。
シローが言う〝考え″というのは、これであった。後方に撤退すれば、待ち伏せているジオンの部隊にやられる。かといって、廃墟と化したコジマ基地に留まっていれば、いずれジオンの部隊が侵攻してくる。そこでシローは、後ろではなく、前に移動したのだ。その発想は無かったわ。
やはり天才か・・・・・・。
そんなシローにも誤算がありました
「ここにきて一週間になるけど、あのポンコツちっとも動かないじゃない。いーかげん、あきらめたら」アプサラス戦で左膝を損傷したシロー機は一応歩けるところまで直したものの、
ノリス駆るグフ・カスタムとの戦いでヒートロッドの直撃を受けたカレン機は、
『起動するだけでも一苦労』という状態。
「だけど、どうします、隊長? やっぱり、一機ばらしちゃいましょうか。そうすれば、ガンダム二機は、完璧に稼働させられますけど」正規の整備員も設備も無い今、それも止む無しな気がするけど。
「それは、ダメだ。二機と三機じゃ、作戦の幅が違う。一小隊で敵中突破するだけでも無茶だってのに・・・・・・」
ここは「カレン機をばらせば他の二機は完璧に直せる」と言い切ったミケルを評価したい。
手紙を書いているだけではないんじゃよ。
「いいじゃん、帰らなくても。戦争なんかやめてさ。あたしたちと一緒に村で暮らそうよ」(どうせ詰んでるし)You、軍人やめちゃいなよ☆
これは「意識しての発言」じゃなさそう。
後で「『たち』は要らないんじゃない?( ・∀・)ニヤニヤ」ってツッコミが入って
あたふたするキキかわいい(妄想)
「そうはいかないんだよ。俺は連邦の軍人で、隊長で・・・・・・だから、ジオンを倒さなくちゃならないの」若干違うんだなぁ、これが・・・・・・。
「ふうん」
そんなものだろうか。キキにはよく分からなかった。
それまでキキは、兵士というものは、自分たちの土地にやってきて戦争をする、迷惑な存在だとしか思っていなかった。しかし、シローと会ってから、少し考え方が変わって来ている。
つまり、兵士も、自分たちと同じ人間のようだ――と。
「冗談きついっすよ、姐さん。いたいけな少年に、そんな・・・・・・」m9(^Д^)プギャーwwwwww
「バーカ。おまえみたいなフニャチン、誰がさわりたいもんか。あたしは、股関節部を説明したかっただけさ」
フニャチンのところで、テッド以外の男たちが爆笑した。
「連中の様子は、どうだ?」
茶を一口すすってから、バレストは、茶を淹れてくれたレナードに聞いた。
「問題はなさそうですね。村人にもなじんでるようだし」
「特にカレンさんとサンダースさんの講義は役に立ちそうです。なんといっても、正規の訓練を受けた者の知識は、勉強になりますね」カレンが医学関係、サンダースが戦術関係の講義を行っている模様。
芸は身を助ける。
でも、そもそもジオン優勢の今よく08小隊を受け入れたっスね?
シローの言葉に、すっかり毒気を抜かれてしまったバレストは、苦笑するしかなかった。元軍人のバレストは色々な軍人を見てきたはず。
軍人同士なら一蹴されるような頼み方だったからこそ許可したのかもしれない。
「連邦とのパイプの維持」という『保険』の意味もあるにはあるけれども。
「見張りは、つけてあるんだろうな」「娘想いのバレスト」
「ええ、大丈夫です。気のつく人間に張らせていますから。あの少尉さんの方は、お嬢さんが直々に・・・・・・」
「ああ、そうらしいな」
バレストは困った顔をした。それは、ゲリラの頭目ではなく、ただの父親の顔だった。
「あの少尉さんのことが、気になっているようだ」
「父親にすらバレバレのキキ」
どちらも微笑ましいですなぁ。
(あの青年は、どうして私を撃たなかったのだろう? 私が撃てなかった理由も、彼に聞けば分かるのだろうか・・・・・・)シローのことが気になるアイナ。
アイナは、また、同じ思いにとらわれていた。
さりげなく(?)ノリスが戦ったという『敵の新型』について探りを入れてみる。
「そのガンダムは、強かったのでしょうね」ひゅー、ノリスが『大したもの』とまで評するとは。
「ええ。パイロットの腕も、大したものでした」
ま、08小隊以外がお粗末すぎる感もするけど。
「それだけの腕のパイロットと新型モビルスーツなら、ケラーネ少将の待ち伏せ部隊を突破できたでしょうか?」ちゃっかり生きてたりするんだなこれが。
「早期に撤退しておれば、可能かもしれません。しかし、自分と交戦した時間を考えると、そうとは考え難い。撤退するのが遅れれば、いかにガンダムといえども突破は難しいでしょう」
「そう・・・・・・」
アイナは俯いた。
アイナの態度を奇妙に思いつつも、ノリスは、それを問おうとはしなかった。久しぶり――およそ15年ぶりにアイナと会話できたことが、ノリスには嬉しかったから。15年前に一体何があったのか・・・・・・。
昼間はシローの見張り、夜はカレン達の教習をテッドがメモをしたノートで勉強。
毎日忙しいキキを心配するテッドですがー
「連中を村に引き入れたのは、あたしの責任でもあるからね。だから、あたしがやらないと」むしろ彼女は今充実しているんじゃよ( ・∀・)ニヤニヤ
テッドから視線をそらして、キキは言った。
「別に、いいじゃないか。あたしが、やるって言ってンだから」
テッドは一人、家の前に取り残されて、地面を蹴った。まったく!青春してるなー!お前らーっ!!!
「俺が・・・・・・よくねえんだよ」
「けっこう楽しいぜ。コジマ基地と違って、女の子もけっこういるし」
「自分は、久しぶりに、いい気分であります。死神と呼ばれた自分が、たとえ戦いの技術を教えているのだとしても、先生と呼ばれ、頼りにされている」08小隊の面々は、皆それぞれに充実した毎日を過ごしている模様。
・・・・・・シローを除いて。
(そうだ。俺は、こんなところでグズグズしていられない。一刻も早く原隊に復帰して、ジオンと戦わなければ。俺は、連邦軍人なのだから・・・・・・)
「おい、みんな。明日から、ガンダムの整備を・・・・・・」m9(^Д^)プギャーwwwwww
と言いかけて、シローは口をつぐんだ。
気がつくと、小屋にはシロー一人が取り残されていた。
2章終了。
誰かを見ているようでうぇーいな気分になったから今日は終わるよ!
→2回目