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民進党岡田代表「過去の総理の答弁を勝手に変えるのはクーデターのようなもの」

2016-05-25 19:49:00 | 政治
 世論調査で、安倍政権の支持率が高い状態が続いている。
 以前も書いたが、個別の政策に対する支持・不支持をみると、ほとんどすべての政策において支持しないと答える人のほうが多い。にもかかわらず、なぜか内閣支持率は支持のほうが多く、政党支持率でも自民党が他党を引き離している。なぜそうなってしまうのか。このことを考えるのが、日本民主化のための重要な鍵だと思い、私は考えてきた。その結果、ひとつの答えとして、世の中の人は野党のことをあまり知らないのではないかという結論に達した。
 テレビメディアはすっかり腰がひけていて、野党共闘のことなどもほとんど報道しない。野党のことが報道されないから、多くの人は野党にどういう党があってどんな政治家がいるのか、どういう主張をしているのかということをあまり知らないのではないか。テレビで報道されるのは自民党の話ばかりだから、自民党支持というふうになってしまっているのではないか。つまり、比較対照するものをもたないから、いま目の前にあるものでとりあえずいいと思っているということである。レイジ・アゲンスト・ザ・マシーンふうにいえば、ほかに飲む薬がないから、自分の体を悪化させるだけの薬を飲んでいるという状況だ。
 そういうことだとすると、まず野党のことを知ってもらわなければならない。そのような現状分析に基づき、これから参院選にむけて野党議員らの発言などを当ブログで取り上げていきたいと思う。

 まず、民進党の岡田代表による、今月21日に愛媛県で行われた講演会での発言を紹介する。(引用は、同日の朝日新聞電子版の記事より)


 (16日の)月曜日の予算委員会で、中曽根(康弘)さんの答弁を取り上げたんですね。中曽根さんが総理の時代に、衆議院の本会議で「集団的自衛権の行使は、これは憲法違反です」という風に述べている。中曽根さんだけではなくて、歴代総理がそう言っているわけです。
 それを安倍(晋三)さんは「いや、中曽根さんが言ったのは、限定のない集団的自衛権に関してのもので、限定した集団的自衛権の行使は違憲とは言っていない」と、こういう風に国会で述べられたんですね。
 これはひどい話だと思うんです。ちゃんと中曽根さんは本会議で「したがって、憲法が認めているのは個別的自衛権だけです」と、はっきり言っているんです。「いや、限定してはいい」なんてどこにも言っていないわけです。
 集団的自衛権の行使は憲法違反だというなら、限定があろうが、限定がなかろうが、憲法違反です。だからこそ個別的自衛権だけ認めている。中曽根さんも述べている。
 それを勝手に、総理の過去の答弁を安倍さんが改ざんして、「これは限定した集団的自衛権を否定したものじゃないから、憲法違反じゃない」、こういう風に言ってしまっています。
 わたしは本当に一国の総理が、過去の総理の答弁を勝手に変えてしまっていると、言い方は厳しいかもしれませんが、クーデターみたいなものだと思うんですね。



 一応ことわっておくが、私は民進党支持者ではないし、岡田克也という人も個人的にあまり支持する気にはなれない。
 しかし、ここで引用した発言については全面的に賛同する。安倍政権がやっていることは、日本の国家を根底から破壊するクーデターなのだ。有権者は、自分たちがいま手にしている薬が考えうるかぎり最悪のものだということに気づかなければならない。