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ウィスコンシンで大統領選再集計――不正発覚でクリントン逆転勝利も?

2016-11-28 23:57:20 | 海外
 アメリカ大統領選に関して、ウィスコンシン州の票が再集計されることになった。
 以前からコンピューターの集計システムの脆弱性が指摘されていて、コンピューターへのハッキングで票が操作されている可能性があるという指摘が出たためだ。
 ウィスコンシン州だけでは結果は覆らないが、ペンシルベニア、ミシガンの2州でも同じような指摘がなされていて、もしこの3州すべての結果がひっくり返ると、ヒラリー・クリントンが逆転することになる。ごくごくわずかなものではあるが、大統領選の結果が覆る可能性があるのだ。

 もしハッキングがあったとしたら、その犯人はいったい誰なのか?
 もっとも疑わしいのはロシアだ。

 トランプ次期大統領は、ロシアのプーチン大統領を称賛するようなことを過去にいっていて、今年7月にはロシアによるクリミア併合を容認するかのような発言で物議をかもしたりもしている。そんなトランプ氏を、CIAのモレル元副長官は「無自覚なロシアの諜報員」と呼んだ。プーチンの計算どおりに動き、アメリカを危険にさらすという指摘である。
 そんな人物だからこそ、ロシアにとってはぜひアメリカ大統領になってほしいということになる。
 選挙期間中、ヒラリー・クリントンのメール問題が次々と暴露されたが、これも「ロシアがハッキングで得た情報をリークしてトランプを援護射撃しているのではないか」とささやかれていた。それが事実であるなら、ロシアの諜報機関かなにかがハッキングで選挙結果そのものを操作したとしても不思議ではない。

 もっといえば、シリアやイランも、トランプ大統領の誕生を望んでいたといわれる。
 イランの場合は、トランプが大統領になれば、その無茶苦茶な政権運営でアメリカの国力が衰え、国際社会における権威も失墜し、イランに対する圧力が弱まっていく……という計算があるかららしい。
 そして、シリアもイランもロシアとはきわめて近い関係にある国だ。このような背景も考えれば、ロシアがハッキングでトランプ氏を支援したというのも、なるほどありそうなことではないか。となると、再集計によってそれが明るみに出て、クリントンが逆転勝利ということもリアルにあるかもしれない。

 ……とはいえ、それははかない希望である。
 実際には選挙結果が覆る可能性はかぎりなく小さいだろう。
 最近日本の選挙でも、ある候補が一部地域で得票ゼロだったという発表に対して「自分たちはたしかに投票したのに0票のはずがない」と投票者が不正を訴えたケースがあったが、裁判所はほとんど門前払いのような対応だった。よほどぐうの音も出ない証拠でもないかぎりは、いちど選挙で出た結果はそう簡単に変えられないのだ。
 おそらく、トランプ氏が来年アメリカ大統領に就任するというのはもう動かない。むしろその後に、失政やスキャンダルでトランプ大統領が任期中に辞任に追い込まれるというようなシナリオを、反トランプ派は期待したほうがいいだろう。スキャンダルで辞任というのは過去にニクソンの例があるし、トランプ大統領ならそれぐらいのことはやってくれそうではないか。


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