2月14日、福岡で大規模な集会が開かれた。タイトルは、ずばり「アベ政治を許さない」。その様子を、ここで報告しよう
今回は、安保法だけでなく、原発廃炉、辺野古基地反対などを含めた、広範囲な運動である。福岡の国際会議場で、1000人近い市民が集まった。
まずは、伊波洋一氏が登壇。
辺野古基地問題と安保法とをからめて、その危険性を指摘した。
再三指摘されるとおり、安保法は日本を守るための法律ではまったくない。そのことを、伊波氏は、軍関係者らの発言を引用しながらあきらかにする。
それによれば、アメリカが考えているのは、中国と衝突が起きるとしても、米中どちらも互いの国土は攻撃しないというシナリオである。なぜなら、中国を攻撃してインフラを破壊してしまうと、世界経済に大きなダメージを与えることになるからだ。したがって、局地戦でことを終わらせるという戦略になる。そして、日本をその局地戦の舞台とするのがアメリカの狙いなのだ。つまり、いざ衝突ということになると、日本を戦場として戦いが起きる。そして、その戦闘において、日本は甚大な被害をこうむる。そうすることで、中国は一定の戦果をあげたとして矛をおさめる。中国もアメリカも本土はノーダメージで戦争が終わりハッピーエンド、日本は焼け野原になったけど……というわけである。つまりは、日本を盾にしてアメリカも中国も被害をゼロにするというのがアメリカの戦略なのだ。これは陰謀論でもなんでもなく、こういうことが、軍関係者たちのあいだで具体的にシミュレーションされている。そして、その戦略にしたがって日本を行動させるための法整備があの安保関連法なのだ。
そしてもうひとつの重要な指摘は、在日米軍は日本防衛のために日本に駐留しているわけではないということ。「アメリカ流非対称戦争」という考え方では、「展開兵力の種別や量を核の閾値以下に止める」――つまり、核兵器が持ち出されないレベルにとどめることが肝要とされている。この考え方にしたがえば、日本が仮に中国と武力衝突した場合、アメリカは全面戦争に発展することを避けるために、限定的にしか関与しない。もし大量に軍を投入すれば、相手が核兵器の使用を考えるかもしれず、それは避けなければならないからだ。すなわち、たとえ日中が衝突しても南西諸島の戦闘には米軍は投入されない――という結論になるのである。
伊波氏の講演のあとには、各団体の代表がアピールを行った。
反原発訴訟団体の代表者、そしてFYMの代表者らである。みなそれぞれに、民主主義・立憲主義・平和主義を取り戻すべく、今後の一致団結した行動を呼びかけた。
そして、国会議員もスピーチ。
共産党からは、田村議員。
原発、辺野古、安保法のすべてで安倍政権にノーをつきつけようと語った。
社民党の吉川議員は、今日がバレンタインデーであることを指摘し、「国民はチョコレートのように甘くない」という。よくも悪くも社民党らしいセンスである。社民党もがんばれ!
また、集会に参加はしていなかったが、民主党の福岡県連総支部連合会代表の緒方林太郎衆院議員からもメッセージが寄せられた。
集会のあとは、デモ。
そしてデモ終了後には、スタンディングアピールも。
参加者はおよそ1000人ということで、おそらく、昨年の安保法強行採決以後で、最大規模のアクションとなった。1000人規模というのは、昨夏の安保法案反対運動期でもそうそうなかったものである。福岡で活動するさまざまな団体が一同に会し、さながらオールスターの感がある。福岡の活動をみてきた私からすると、あの人も、あの人も、という感じで、じつに感慨深いものがあった。
スタンディングアピールは西鉄福岡天神駅周辺で行われたが、沿道に長くつらなるアピールの列は、天神ジャックといった様子だった。
警固公園では、プチ集会のようなことも。
まだ道のりは険しいが、しかし今日の集会は、なにか大きな動きがはじまっていることを感じさせるものだった。
福岡では、今後もさまざまな運動が計画されていて、スケジュールはもう6月まで埋まっている。参院選までノンストップのムーブメントがはじまっているのだ。