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安倍政権、悪行の軌跡:対米追従

2015-12-02 18:59:06 | 安倍政権、悪行の軌跡
 安倍政権の悪行を告発するシリーズの一環として、今回はその対米追従的姿勢をとりあげたい。

 一口に対米追従といっても、相当に幅が広い。
 とりわけ安倍政権はかつてないほどの対米追従政権であり、つきつめていえば、安保法制にせよ、辺野古新基地にせよ、TPPにせよ、安倍政権のやっていることのほとんどは、つまりは対米追従というところに集約される。それを示すエピソードということになるとこれはもう枚挙にいとまがないわけだが、この記事では、この夏問題になったアメリカのNSAによる盗聴問題とそれに対する日本の対応をとりあげたい。大問題であるにもかかわらず、もう忘れ去られているように思われるので、「過去の悪事を風化させない」という当ブログのコンセプトに従い、この問題を掘り返しておく。

 安保法案審議の陰に隠れてフェードアウトしてしまった感があるが、これはなかなかひどい問題だった。
 アメリカの情報機関NSAが各国の首脳や企業などの電話を盗聴したり、メールなどの情報を収集していたことが、ウィキリークスによって暴露されたのである。アメリカの側は「安全保障のため」と言い張ったが、暴露された情報の中には、企業の内部情報や環境問題に関するものなど安全保障とは関係の薄いものも大量にあり、苦しい言い訳だった。
 その盗聴自体もひどいものだが、しかし、これに対する日本の対応もひどい。
 ドイツやフランスなどは首脳が直接電話で抗議しているし、ブラジルのルセフ大統領はこの問題を受けてオバマ大統領との会談を延期するなど、強く態度を示している。
 ところが、それに対して日本は、なんとも腰の引けた対応だった。安倍総理も菅官房長官も、「事実とすれば誠に遺憾」などととおりっぺんのことをいうばかりで、菅長官は「日本の機密情報が漏れたとは思わない」と、なんとか大事にならないようにしようという姿勢が見え見えだった。さらに谷垣幹事長にいたっては、「盗聴がある前提で話すのが常識」「盗聴するのが悪いといっていればいいものではない」などと、まるで盗聴した側を擁護するかのような発言をする始末である。

 このような安倍政権の姿勢はいったいどこからくるのか。
 それについて、先日福岡で行われたシンポジウムにおいて中野晃一氏が非常に示唆に富む論を展開していたので、それを紹介しよう。
 中野氏は、丸山眞男の論を引いて、日本における「政治」、「政(まつりごと)」とは「祀り」と同根であると指摘する。つまり、神のような存在として「祀り上げる」という感覚――それが、日本の「政治」に染み付いているというのである。そのような考え方から導き出されるのは、上にいるものには無批判に従い、下にいるものは問答無用で服従させるという垂直な関係だ。安倍総理をはじめとする自民党の政治家たちは、政治をそのような封建的主従関係としてとらえているのである。
 このように見れば、いまの安倍政権のスタイルがじつにすっきりと理解できる。彼らはアメリカをご本尊として祀り上げ、そのいうことには盲目的に従い、そして国民に対しては、自分たちを祀り上げて無批判に隷従することを要求しているのだ。すなわち、「対米追従」と「民意無視」ということとは、政治思想的にも表裏一体の関係ということになる。
 このような思想の先にあるのは、奴隷の国である。政府も奴隷、国民も奴隷。そこには自由も民主主義もない。4、5世紀も前の王権神授の世界だ。日本をそのような社会にしないために、安倍自民の面々には政治の世界から退場してもらうよりほかないのである。


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