自民党が結党60年の記念となる今月、勉強会を立ち上げるという。安倍総裁直属の組織で、谷垣幹事長をトップにすえて、東京裁判やGHQの占領政策を検証するのだそうだ。
稲田朋美政調会長の提言にもとづくものというが、しかしそれを前面に押し出すと、中韓ばかりでなくアメリカとの関係にも悪影響を及ぼすことになる。そこで、あえて戦後だけではなく、日露戦争あたりまで対象を広げ、しかも保守強硬派ではない谷垣幹事長をトップにすることでタカ派色をやわらげたうえで“勉強会”という形式にしたという。
絵に描いたような“頭隠して尻隠さず”である。
トップを谷垣氏にしたぐらいでは、いまの自民党が放っている腐臭はまったく消えない。なぜなら、安倍総理とその周辺が危険な歴史修正主義者であることは、これまでの言動で知れ渡ってしまっているからだ。どうカモフラージュしようと、「“大東亜戦争”は正しい戦争だった」と本当はいいたがっているのが、もうあきらかなのである。
こうした歴史修正主義的な姿勢は、日本のイメージを悪化させている。
ことに従軍慰安婦問題においてそれは顕著で、海外のメディアに対して抗議したりするなどしてひんしゅくをかっている。たとえば、安倍政権の歴史修正主義を批判したドイツの新聞社に総領事がおしかけて「中国から賄賂をもらっている」といいがかりをつけたり、慰安婦問題についての記事で中野晃一氏のコメントを掲載したアメリカの新聞社にメールを送って中野氏を中傷し、保守の論客である秦郁彦を推薦するなどである。こういうことをする傲慢さと、それがむしろ日本のイメージを悪化させるということに気づかない愚かさには、うんざりさせられる。日本のメディアはちょっと脅してやればおとなしくなるのかもしれないが、海外メディア相手にそれは通用しないということがわかっていない。いかに日本の政治・政府がネトウヨ色に染まってしまっているかということである。そういう流れがあるから、結局は、記憶遺産でユネスコへの拠出金を云々という話もそういう文脈で見られてしまうということだ。
このような態度をとり続けていれば、いずれアメリカとも深刻な亀裂が生じることは疑いない。そして、安倍政権、あるいはその流れを汲む自民党政権が続くかぎり、その超えてはならない決定的な一線を超えるときがやってくるのは時間の問題だろう。
この点からしても、自民党政権が続くことは危険である。まだこの程度ですんでいるうちにやめさせておくに越したことはない。
稲田朋美政調会長の提言にもとづくものというが、しかしそれを前面に押し出すと、中韓ばかりでなくアメリカとの関係にも悪影響を及ぼすことになる。そこで、あえて戦後だけではなく、日露戦争あたりまで対象を広げ、しかも保守強硬派ではない谷垣幹事長をトップにすることでタカ派色をやわらげたうえで“勉強会”という形式にしたという。
絵に描いたような“頭隠して尻隠さず”である。
トップを谷垣氏にしたぐらいでは、いまの自民党が放っている腐臭はまったく消えない。なぜなら、安倍総理とその周辺が危険な歴史修正主義者であることは、これまでの言動で知れ渡ってしまっているからだ。どうカモフラージュしようと、「“大東亜戦争”は正しい戦争だった」と本当はいいたがっているのが、もうあきらかなのである。
こうした歴史修正主義的な姿勢は、日本のイメージを悪化させている。
ことに従軍慰安婦問題においてそれは顕著で、海外のメディアに対して抗議したりするなどしてひんしゅくをかっている。たとえば、安倍政権の歴史修正主義を批判したドイツの新聞社に総領事がおしかけて「中国から賄賂をもらっている」といいがかりをつけたり、慰安婦問題についての記事で中野晃一氏のコメントを掲載したアメリカの新聞社にメールを送って中野氏を中傷し、保守の論客である秦郁彦を推薦するなどである。こういうことをする傲慢さと、それがむしろ日本のイメージを悪化させるということに気づかない愚かさには、うんざりさせられる。日本のメディアはちょっと脅してやればおとなしくなるのかもしれないが、海外メディア相手にそれは通用しないということがわかっていない。いかに日本の政治・政府がネトウヨ色に染まってしまっているかということである。そういう流れがあるから、結局は、記憶遺産でユネスコへの拠出金を云々という話もそういう文脈で見られてしまうということだ。
このような態度をとり続けていれば、いずれアメリカとも深刻な亀裂が生じることは疑いない。そして、安倍政権、あるいはその流れを汲む自民党政権が続くかぎり、その超えてはならない決定的な一線を超えるときがやってくるのは時間の問題だろう。
この点からしても、自民党政権が続くことは危険である。まだこの程度ですんでいるうちにやめさせておくに越したことはない。