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まずは先日の羽田衝突事故で悲しい想いをされた方々のご心労は、察するに余りあることです。
また元航空医官として、多少なりとも航空機事故の知識がある立場としては
乗客が全員脱出できたことは、JALクルーの訓練の賜物以外の何ものでもないでしょう。
称賛に値すべきです。
一方、米国で飛行機操縦経験がある立場としては
管制とのやり取りに、もしかしたらと心当たりがあるものの
(当時は英語でイレギュラーな指示に戸惑いました)
素人なのに、とりあえず一言言いたいのか
ニュースに対する大量のコメントには閉口します。
落ち着いて事故調査委員会の発表を待てないでしょうか?
何せ、海上保安庁側の生存者は機長一人です。
機長という職種は非常に責任が重い。もう少し慮ってやれないかなと思います。
前置きは長くなりましたが
ペットの機内持ち込みを要望は理解できます。
でも、それと同時にペット(動物)が嫌いな人もいます。
それよりもSNSで拡散したり、署名を集めて航空会社に訴えたりするより
もっと根源的なところに気づくべきでしょう。
日本の法律上、ペットは生き物ではなく、「モノ」です。
ペットが事故で亡くなっても、物損事故扱いです。
ここを何とかしない限り何も変わりません。
今回脱出された方は荷物を持って、脱出スライドを滑ったでしょうか?
時代に即した法律、憲法に変えていく必要があるでしょう。
余談になりますが
今回、ペット機内持ち込みを訴えている方々は小型犬、中型犬しか想定されていないので?
当院のセラピー犬マリーは、ゴールデンレトリバーとしては小柄なものの、分類上は大型犬に属します。
日本のペットOKの宿は、大半が小型犬、中型犬のみ。
これって差別じゃない?
当院のマリーは1週間に1回はお風呂に入ります(本当は毎日入りたいようですが、濡れた毛を乾かすのが大変なので)
2時間位のフライトでしたら、シートベルトして座席上で大人しくしています。
そんな人間みたいな犬はかなり少数派でしょう。
ケージに入れればという方もいるかもしれません。
臭いが気にならないのは飼い主だけです。
人間ですら気になりますよ
もちろんマリーはJALにも乗りましたし
車でフェリーに載ったこともあります。
フェリーの約款(決まりごと)で、ケージに入れて移動するようになっていましたが
大型犬とケージで約40kgを上層デッキまで上がるのは、実に大変な作業でした。
たどり着いたら、「(犬を)歩かしてくれば良かったのに」と言われて、笑ってしまった覚えがあります。
(重労働で地獄でした)
現場の対応はそうでも、約款や法律など、小型のペットしか想定していないのでしょう。
マリーは12歳で、人間年齢では90歳を超えています。
体に負担なので、長距離移動はできません。
もう一緒に飛行機に搭乗することはないけれど
ペットの機内持ち込みに反対しているわけではありません。
しかしながら、まず「ペットはモノではない」というところから議論を始めるべきです。