ショパンとドビュッシーの練習曲ばかり集めたコンサートの前半。
練習曲といっても相当な時間をかけて選曲し、流れや順序も考えたのに違いない。
それなのに、それをぶち壊した「ブラボーオヤジ」がいた。
小山さんは一応会釈され、すぐに次の練習曲を弾き始め
ブラボーに続いた拍手も、ピアノに掻き消されました。
動じない姿はさすがプロフェッショナル!
コンサートのリーフレットを読むとわかるように
小山さんなりの考えがあって並べられた12曲。
曲と曲の間にはつながりがあって、トータルで一つの作品となっていたように思えます。
曲間の余韻やテンションを楽しんでいたのに
ブラボー親父のおかげで、私の緊張感は途切れてしまった。
さらに言うなら、ブラボー(Bravo!)ではなくブラバー(Brava!)ではないか!
と言っても、各人には各人の楽しみ方があるから、「良し」としましょう。
とはいえ、
3階席という条件のよくない席だったのにもかかわらず、一音一音がはっきり聞こえました。
小さな音から大きな音まで、音の輪郭が明瞭。
大きな音はまるで男性が弾いているかのように力強い。
正しくタイトル通りの「研ぎ澄まされる耳、指先」の小山実稚恵さんのピアノでした。