琴糸のセルフ張り替えについての最終回
生田流、山田流といった正式な琴を学習されている方々にとっては、当たり前の事でも
素人の私にとっては、大きな発見や驚きが得られた貴重な経験となりました。
この琴を譲って下さった方には、改めてこの場でお礼申し上げたい。
(このブログをご覧になられているでしょうか?)
今までのお話は
お琴の糸(弦)交換にチャレンジ! 自力で糸締め その1 外科系のお医者さんにはできるかも!?
お琴の糸(弦)交換にチャレンジ! 自力で糸締め その2 サクラサクラを弾いてみました!
お琴の糸(弦)交換にチャレンジ! 自力で糸締め その3 糸(弦)の太さに大発見?
お琴の糸 番外編 バイオリンの弓のセルフ毛替え 馬の毛を買って自分でやってみました
さて、糸は張り替えたものの、どうも音がいまひとつ良くない。
安いグレードの糸だから、高望みするほうが間違いなのですけど。
よく音を聞くと、振動している音が混じっているように感じます。
いろいろやりながら、振動音を探っていくと
琴柱(コトジ?)から出ているようです。
試しに、琴柱と糸の触れるところ(頂点部分)を軽く触れて糸をはじくと、振動音が消えます!
(ギターのブリッジミュートのような感じです)
ジョン・サイクス(John Sykes)というスーパーギタリストが
ギター(レスポール)の金属部品を全てブラス(真鍮)に交換したら、音が良くなった。
と20、30年前の雑誌インタビューで語っていたことを思い出しました。
それで琴柱を交換してみよう!
となったわけです。
普及品のプラスチック製を探してみると
いくつか見つかりました。
まずは形で
高砂、新雲井、新富士
一般名でなく、メーカーによる登録商標なのかもしれませんが、和風というか相撲のようなネーミングです。
柱の厚みが、新富士は初心者向けなのか分厚く、柱が倒れにくくなっております。
どの形を選んでも値段はほとんど変わりません。
次にグレード
白象のHPによると
- ・応 龍:超高重量タイプ(玉龍の約1.3倍の重さ)
- ・玉 龍:高重量タイプ(白龍の約1.35倍の重さ)
- ・白 龍:軽やかな音色の標準タイプ
- 当然ながら値段もかなり変わってきます。
白龍 3000円台 玉龍:4000円台 応龍:8000円台?
応龍という最高級のグレード、2016年に誕生したばかりのようです。
譲り受けた琴のオリジナルの柱は、白龍・高砂(左)のようです。
柱の交換で音が改善するかどうか、お試しということで、玉龍・高砂(右)を買いました。
4千円後半でした(正確な金額覚えていません)
柱を交換し、調子を合わせて(チューニング)
弾いてみたところ
オー!
と素人の私に明確に分かるほど音が変わりました。
耳障りな振動音が無くなり、演奏会などで聴く上級者の音に近くなりました。
嬉しくなちゃって、お正月によく演奏される「春の海」(宮城道雄)の出だしの部分を弾いてみました。
「タン タラララタラランー」
音もそっくりではないですか!
結論
重たい柱に交換することで、琴の音色を改善することに成功しました。
音は好みの問題ですけどね。
余談ですが、高級な琴柱は象牙のイメージがあります。
調べてみると、象牙の琴柱が今でも流通しているのですね!
入手可能なことに驚きました!
もちろん高いです(50万円以上)