20年前には毎日のように目にしていたフェンタニル
(当時は麻酔医でしたから当然です)
当時も(使い終わったフェンタニルの)空アンプル(薬の入っているビン)や残液も保管し
(確か)週に1回保健所の役人が来られて
帳簿と会っているかどうか一緒に確かめた覚えがあります。
今はもっと管理が厳しくなっているはずですが
当時の管理下では、薬の抜き取り(注射器や別容器への移し替え)やアンプル自体(麻薬)の持ち出しも
可能だった、今考えればそう思います。
週1回決まった時にやって来るのですから、帳尻を合わすことは難しくはありません。
もう麻酔の臨床から離れているのでわかりませんが
以前は全国的に麻酔医は不足しており、麻酔医一人で麻酔科を任されている病院も多々ありました。
そこに麻薬をはじめ劇薬が多数あり、管理者も使用者(自己使用ではないですよ!)も兼ねているわけですから
想定外の事も起こりうるわけです。
管理を厳密にすると現場は疲弊します。
結局は倫理観に行きつくのかもしれませんが
このような報道が今後起きないことを望むと同時に
医師であっても人間は弱い存在だと再認識させられます。