六本木の国立新美術館で開催されていた
「 至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」展
すでに終了してしまい、全くタイムリーな話ではなく申し訳ありません。
同時期に展示されていた
こいのぼりなう展での所感で少し触れましたが
このビュールレ コレクションで凄いことに気づきました!
娘と美術館などに行くときはいつも
混雑している時は、娘を持ち上げて(いわゆる抱っこ!)で作品を見せます。
比較的空いている時や巨大な展示の時は、普通に立った状態で(身長110㎝程度)で見てもらいます。
この時は、一部の絵を除き、大人が子供の視界を完全に遮るほど混雑している状況ではなかったので
(抱っこをせずに)手を繋いで一緒に見ていました。
(20キロ、25キロの子供をずっと抱っこするのは、この歳になるとかなり大変です)
「ちゃんと見える?」
「見えなーい。」
えっ??
「本当に見えないの??」
「見えなーい。」
こういう何気ない会話でも、医師でもある私にとっては結構焦る話です。
子供が見えないと言ったら
近視だけでなく、網膜芽細胞腫や眼外傷も真面目に考えなければなりません。
娘の目をよくよくのぞき込んでしまいました。
(進行していたら、混濁していたり、白く光って(猫目)見えることがあります。)
目視する限りでは問題なさそうなので(一安心)
娘の視点の高さになって絵を見てみました。
すると作品の上部が光っていて、白くしか見えないことに気づきました!
作品保護のために部屋全体の照明を落とす代わりに
作品の上方にスポットライトが設置されていたのです。
そのようなライトがあることには以前から気づいていましたが
(標準的な背丈の大人が)立ってみている分には、何の問題も感じたことがありませんでした。
子供の視点(低い位置)から見上げると
大多数の作品がよく見えないことに初めて気づいたわけです。
今回のビュールレコレクションのみならず他の展示会でも、展示の後半のほうになると、つまらなそうにしていることがありました。
集中力の問題かなと思っていましたが
見えない作品を見させられていたら、子供でなくてもつまらなく感じることでしょう。
娘に悪いことしたなと思い
残りは、抱っこでの鑑賞でした
小さな子供だけでなく、車いすの方も同じ経験があるのではないでしょうか?
当たり前のように思っていることでも、前提条件が変われば、当たり前ではなくなるのかもしれません。
ハッとさせられた展示会そして娘の証言でした。
スポットライトをやや斜めからあてたり
壁掛けの作品の設置角度を変えたり
工夫できることは何かあるはずです。