「劇画暮らし」 (辰巳ヨシヒロ 本の雑誌社 2400円)
子供の頃、貸し本屋で本を借りて読むのは当たり前の事でした。
この「劇画暮らし」は手塚治虫にあこがれて、まんがを書き、大人向けのまんが「劇画」という
新しいスタイルを確立した、大阪、豊中の作家、辰巳ヨシヒロの劇画を通してみた激動の
昭和史と言えるでしょう。「影」「街」といった貸し本屋向けの本の作家たち、佐藤まさあき
(後に「影男」シリーズでブレイク),K.元美津、石川フミヤス、さいとうたかお、つげ義春らが
続々登場します。もう76才ですが、戦後のまんが史を支えた、この人達はもっと評価されても
良かったののではないか、と思います。
