ブルキナファソの国の人たちのことを総称して「ブルキナベ」と言います。
ベナンの人たちは「ベニノアーズ」、トーゴの人たちは「トーゴレン」、コートジボアールの人たちは「イヴォアリアン」という呼び方です。
日本人は「ジャパニーズ」ですね。
ブルキナファソはBURKINA(清廉潔白な人)というモレ語と、FASO(国)というジュラ語で成り立っています。
これは約30年前に第5代の大統領「トーマス・サンカラ」が、かつて「オート・ポルタ」という国名を変更し今日まで及んでいます。
ブルキナファソには約60の部族がそれぞれの違った言語と習慣があり、日本の方言は一つの言語の変形であるのとはまた違うのです。
日本でもアイヌ語や琉球語などは異質ですね。
これは以前アフリカに国境がなかったころ、ほとんどの人々は狩猟民族で農耕民族が少なかった時代、狩猟民族は大きな集団では移動できなかったために一族で動物や植物を求めて移動していたようです。
その時に違う部族との接触があるときに暗号のように用いられたのと、同じ部族の連携を保つためという学説もあります。
宗主国の植民地政策で国境が敷かれ、大陸を自由に移動できなくなると定住し農耕をおこなうようになり現在に及んでいます。
さて、ブルキナファソに戻りますが、宗教はイスラム教が約50%、カトリックは約30%、そしてプロテスタント約15%というところです。
人々は温厚で争いをすることは好みません。
ブレイス・コンパオレまでの殆どの大統領はクーデターで大統領になりました。これらのクーデターにしても市民は関わらず、軍が前大統領を拘束して首謀者が大統領になったので、朝起きたら大統領が変わっていたという感じでしょう。
それでも市民は大きな暴動も起こさず国を委ねていました。
今回ブレイス・コンパオレ大統領降板の経緯は27年間も続いた政権に市民がNOを突き付けたことです。
その理由はブレイス・コンパオレが大統領になってからも選挙はあるにはあったものの、金と権力を使ってライバルを排除してきたことと、前回の選挙ではこれが最後と言って政権の座に就き、また今回も議会に再選を可能にする法案を出したことです。
一部の既得権を持つものが豊かになり、一般市民の生活が豊かにならないこと。
ここまでは途上国にはよくある話でありますが。
ここからが他の国の人とブルキナベの違うところ。
多くの市民が発奮し大統領府や国会議事堂に詰めかけ抗議行動を起こしました。その数は20万人~30万人とも言われています。
その直後に軍が市民側につき介入し戒厳令がひかれました。
間もなくブレイス・コンパオレ大統領や家族、親戚、そして漁夫の利を得ていた者たちは一目散に国外へ逃亡。
その際には大きな暴動や内戦にはならず、その後カファンド暫定政権が発足しました。
市民の抗議行動から1年が経ち、2015年11月29日に公明な選挙がおこなわれ現在のロック・マーク・カボレ新大統領が誕生しました。
一人の市民がこう言っていました。
「今度こそ自分の手で自分の大統領を選ぶのだ。」と。
また、ある若い兵士はこう言っていました。
「私達は大統領を守るのではなく、家族と国民と国を守るのだ。」と。
親爺は国の名前の通りのブルキナファソ、そしてブルキナベが大好きです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます